新型『フリード』シリーズの受注は10月16日までの発売1か月で、月間販売計画である6000台の4倍以上になる2万7000台と、好調なスタートになった。このうち、安全運転支援システムの「ホンダセンシング」は標準装備とオプション分を合わせ、82%と極めて高い装着比率となっている。
こうした受注状況について、開発責任者である本田技術研究所の田辺正主任研究員は10月25日の試乗・取材会で、「安全運転支援技術にお客様が高い関心を示されている」と指摘した。田辺氏によると、開発途上で簡易型の自動ブレーキシステムから、高機能なホンダセンシングへの切り換えを決断した経緯があるという。それだけに、「正解だった」と手応えも十分のようだ。
また、高率の装着比率には「価格政策も寄与している」(田辺氏)という。同社によると、ホンダセンシングとともにオプション装着で人気の高いリア右側のパワースライドドアは、単品での組み合わせ価格は16万2000円。
だが、これらがセットで標準装備されたグレードでは12万円割高になるだけなので、このグレードを選択する顧客が多いそうだ。言わば「お得グレード」だが、先代モデルの消費者行動も参考にしたという、価格政策が当たっている。