【BMW 330e 試乗】走りの質感はBMW、だが高めの価格が壁になる…松下宏

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BMW 330e
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BMWは少し前までマイルドハイブリッド方式のハイブリッド車を設定していたが、ここにきて各モデルともプラグインハイブリッド(PHEV)に切り換えてきた。欧州のCO2規制ではPHEVが有利な計算になるためだ。

外観デザインや内装の仕様などは基本的に3シリーズのガソリン車のものと変わらない。外観は専用のエンブレムが装着され、フロントフェンダーに充電口が設けられているのが異なるくらいである。内装はメーターパネルがハイブリッド用のものになるだけだ。

『330e』のPHEVシステムは、縦置きに搭載される直列4気筒2.0リットルの直噴ターボ仕様エンジンに電気モーターを組み合わせている。エンジン単体では135kW/290Nmを発生し、電子制御8速ATに内蔵された電気モーターは65kW/250Nmを発生する。システムとして発生できるのは185kW/420Nmである。

スターターボタンを押してシステムを起動させても室内は静かなままだ。軽くアクセルを踏んで走り出しても静粛性は維持されている。バッテリーの充電状態が良ければ、通常のアクセルワークではエンジンはかからず、EVモードが優先される。エンジンを始動させようと思ったら、かなり強くアクセルを踏む必要がある。

ハイブリッド車としてeドライブモードは、クルマが自動的にエンジンとモーターを使って走らせるオートeドライブ、基本的に電気モーターだけを使って走るマックスeドライブ、エンジンを始動させて充電状態を維持して走るセーブの3種類が設定されている。

また走行モードは、通常のBMWのガソリン車のようにエコプロ、コンフォート、スポーツ、スポーツ+の設定がある。

これらを組み合わせて走るわけだが、EV走行の状態でも相当に力強い走りが得られる。電気モーターは立ち上がりの瞬間から250Nmを発生するから、走りに力強さを感じるのも当然である。

アクセルを強く踏み込んでエンジンを使ったハイブリッド走行に切り替わるときも、非常にスムーズな切り替えが行われる。タコメーターが装備されていて、その針が動くのでエンジンの始動が分かるが、振動や騒音などは良く抑えられていて、メーターを見ないと分からないくらいだ。

マックスeドライブを選んで穏やかなアクセル操作で走れば、最長で36.8kmまでの距離を走ることができ、日常的な走りなら電気だけで賄うことも可能だ。また高速では120km/hでのEV走行もできる。この場合にはEV走行の距離は短くなるが、高速でもストレスのないEV走行ができるのは良い。

300eは重いリチウムイオン電池をラゲッジスペースの床下に搭載していて、これによって重心高を下げるとともに、BMWらしい前後均等の重量配分をPHEVでも実現している。実際にはやや後ろよりの配分なのだが、前後均等に近い配分である。

電池の搭載で「320i」や「320d」などに比べるとざっと200kgくらい重くなっているのだが、動力性能が重さを苦にしないだけでなく、重さが利いて乗り心地を良くしているような印象があった。試乗車は18インチの255/40タイヤを履いていたが、やや硬めながらも快適な乗り心地が得られた。

問題は価格だ。PHEVの320eの価格は仕様による違いもあるが、500万台後半に設定されている。ガソリン車の320iに比べるとざっと65万円くらい高く、320dと比べても42万円ほど高い。この価格差は燃費で取り戻せるものではないから、普通のユーザーには選びにくい。走りの質感の高さなどに魅力を感じる人が選ぶクルマだ。

またPHEVやEVは基本的にユーザーを選ぶクルマである。自宅に充電設備を設けられる人でないと実質的には買えないので、買えるユーザーが限られる。これも難点だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
《松下宏》

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