ローム、HVなどの高電圧から3.3ボルトに直接降圧できるDC/DCコンバータIC技術を確立

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BD51180TL
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  • 業界最小スイッチングオン時間により高効率、小型化、設計負荷軽減に貢献
  • トヨタ プリウス

ロームは、ハイブリッド自動車などで需要が高まっている48Vなどの高い入力電圧から、3.3Vや5Vなど、低電圧に直接降圧することができるDC/DCコンバータIC技術を確立した。

自動車分野では、従来の12Vの電源システムに比べて燃費改善効果が高く、安全性が考慮された48V電源システムを搭載したハイブリッド車が注目されている。

しかし、一般的な車載用MCUや制御システムを駆動させるために必要な3.3Vや5Vに、48Vから直接降圧できるICは存在せず、12Vなど、中間電圧をつくり2段階で降圧している。一方で、ラジオ帯域への影響を防ぐため、2MHz以上の高周波動作も求められている。

こうした高入力、低出力、高周波動作といった市場ニーズを実現するためには、スイッチングオン時間を短くする必要があるが、従来の方法ではノイズの影響を受けやすく、スイッチングオン時間の極小化が困難だった。

今回、短時間でパルスを制御する独自技術を活用することで、従来品比6分の1となる業界最小のスイッチングオン時間20nsを達成した。これにより、電源システムの48Vから各機能を駆動させるのに必要な3.3Vに安定して電圧を出力することができる。ラジオAM帯域である1.84MHz(MAX)の範囲外である2MHzに駆動周波数を固定しており、周波数にも干渉しない。

また、このICは短いパルス幅で電流を制御できる電流モード制御を採用しているため、簡単に位相補償を実現することができ、セット設計負荷軽減にも貢献する。2点の部品のみで幅広い入力電圧範囲で、安定動作を実現する。

同社では、この技術を用いた製品「BD51180TL」を2016年中のサンプル出荷を目指して開発を進めるとともに、アナログパワー技術を駆使した高効率・高性能な電源技術の開発を加速する。

《レスポンス編集部》

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