矢野経済研究所は、電動パワーステアリング(EPS)システムの世界市場の調査を実施。その結果を「電動パワーステアリングシステム市場の最新動向と将来展望 2016」にまとめた。調査はEPSシステムメーカー、EPS構成部品メーカー等を対象に、2015年10月~2016年3月の期間、同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングならびに文献調査を併用して行った。調査結果によると、2015年のEPS世界市場規模はメーカー出荷数量ベースで4700万台、EHPS(電動油圧パワーステアリング)は400万台で合計5100万台の見込み。地域別では日本や欧州での普及がひと段落しつつあるものの、北米や中国で今後の伸びが期待され、世界市場全体を牽引すると予測。また、南米やアジア地域を含むその他地域での市場の伸びも大きくなると考えられる。EHPSについては、より燃費効果の高いEPSの高出力化に伴い、今後は縮小傾向になると予測。2015年は400万台の見込だが、2025年には200万台程度まで需要が低減するものと考える。EPSタイプ別では、現状、コラムアシストタイプ(コラムタイプ)が市場の過半数を占める。コラムタイプは低コストで搭載性に優れる特徴を持つため、小型車の多い中国やアジア地域を中心に、今後も搭載が拡大すると予測する。また、これまで欧米メーカーによる供給が中心だったラックアシストタイプ(ラックタイプ)についても、近年日系メーカー各社で開発や製品化が進められており、今後の伸長が期待される。特に、ピックアップトラックや大型車の普及率が高い北米市場では、今後ラックタイプの需要が増加すると考える。
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