【新聞ウォッチ】セブン-イレブン王国を築き上げた鈴木敏文会長、無念の幕引き

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年4月8日付

●セブン鈴木HD会長辞任、社長交代案否決で(読売・1面)

●首都圏鉄道「羽田」に力点、審議会答申案公表、空港アクセスなど整備(読売・10面)

●リコール届出相次ぐ、ホンダ、スズキ、マツダ(読売・35面)

●自動運転実現に課題、検察庁、事故の責任所在など(朝日・11面)

●「他人のために何かできたら、自分も幸せに」「世界で一番貧しい大統領」東京で公演(朝日・13面)

●円急伸一時107円台、日銀の追加緩和前水準(毎日・1面)

●主力車「レヴォーグ」富士重が豪で投入(日経・13面)

●銘柄診断、富士重、年初来安値を更新、円高で業績先行き不安(日経・16面)

ひとくちコメント

トップ人事をめぐる内紛劇の末、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者)が、経営を混乱させた責任を取り、辞任を決意したことは流通業界ばかりでなく、経済界にも衝撃が走った。

「セブン鈴木HD会長退任」のニュースは、きょうの読売、日経が1面トップで大きく報じたほか、各紙も解説記事を含めて詳しく取り上げている。

鈴木会長の突然の辞任劇については、「独善トップに反発」(読売)、「コンビニの親 波乱の幕」(朝日)、「企業統治もろさ露呈」(毎日)、「揺らぐ帝国求心力低下」(産経)、「流通のカリスマ退場」(日経)などの見出しで、禍根を残す幕引きを伝えている。

鈴木会長とは週刊誌の独占インタビューなどで取材する機会が多かったが、俗っぽく表現すれば「晩節を汚した」ことに尽きる。さらに、付け加えれば、“スーパーマン”でもなく、出世欲や権力欲の極めて強い典型的なワンマン経営者だったことである。

「鈴木」の姓を名乗り、大学も同じ中央大学で、しかも長期政権で”中興の祖”という共通点も多いことから、3歳年上で86歳のスズキの鈴木修会長と比較されることがある。

だが、決定的な違いは、修会長は婿養子とはいえ創業一族であるのに対し、敏文会長は、出版取り次ぎ大手のトーハンから流通業界に転職して出世階段を駆け上がった凄腕サラリーマン。

記者会見でセブンの鈴木会長は「私の不徳の致すところ」と語ったそうだが、自分の息子を後継者に据えようとの思惑で世襲問題が浮上したことなどが致命傷となり、晩節を汚す残念な幕引きとなったものと思われる。

《福田俊之》

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