「LINE POP」未使用残高230億円をめぐる騒動、双方の見解

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LINEは、同社が運営するアプリ『LINE POP』において「資金決済に関する法律」に抵触する可能性があるとして関東財務局による立入検査されている件に関する見解を公表しました。

複数の報道機関によると、検査の対象となっているのは『LINE POP』のゲーム内アイテム「宝箱の鍵」。課金購入可能な仮想通貨で入手できるため、同アイテムが商品券やギフト券などと同様の「前払式支払手段」であるかどうかにより、資金決算に関する法律に抵触する可能性があるとしています。「前払式支払手段」であれば、保有残高が1,000万円を超える場合、事業者が破綻した際を想定し、その半額を利用者保護を目的とする「発行保証金」として「内閣府令で定める主たる営業所または事務所の最寄りの供託所」(本件では財務局がこれに相当)に供託する必要があります。

LINEは、同アイテムは「前払式支払手段」にあたらないとし、発行保証金の供託は行っていません。毎日新聞は、2015年5月時点で同アイテムが「前払式支払手段」であった場合、未使用残高は約230億円にのぼるとし、関係者が「多額の供託金を逃れるため、(同年7月の)仕様変更で疑惑を覆い隠した」と証言していると伝えています。

【一口メモ】
●資金決済に関する法律(資金決算法)
2010年施行。ITの発展に起因する決算サービスを規制することを目的とし、金券(含 電子マネー)の発行会社は「前払式支払手段」による残高が1,000万円を超える場合、その半額を発行保証金として、内閣府令で定めるところにより、主たる営業所又は事務所の最寄りの供託所に供託しなければならないとされている。

●前払式支払手段
商品券、ギフト券、プリペイドカード、電子マネーなどが該当。金額やサービスの数量が記載され、数量に応じた対価が支払われるもの。
今回の立入検査について、LINEは、関東財務局から立入検査を受けていることは事実であるとしながら、「前払式支払手段」発行者に対して数年に一度定期的になされているものであり、『LINE POP』の「宝箱の鍵」において、資金決済法上必要な届出をしなかったという疑いに起因するものではないとしており、資金決算法にに基づく規制の適用を意図的に免れ、同法に基づいて必要とされる供託を逃れようとしたかのような報道は事実ではないとしています。


◆LINEの見解(コーポレートより抜粋)
・ゲーム内で販売されるアイテムが「資金決済法」における「前払式支払手段」に該当するか否かについては、法令上も行政実務上も判断基準が明確でない。

・そのため、ゲーム事業部に専任の法務担当者を常駐させ、サービスのリリース前・バージョンアップ前に法務担当者が確認し、資金決済法上の3要件(価値の保存、対価発行、権利行使性)を全て満たしているか否かを基準に、各アイテム等の外観・使用場面などを総合考慮して判断している。

・判断が難しいものは、必ず外部弁護士にも相談の上で「前払式支払手段」に該当するか否かを判断することとしている。

・加えて、事後チェックも行い、厳格な運用をしている。

・法令上も行政実務上も判断基準が明確でない中で、利用者保護の観点から「資金決済法」を保守的に解釈し「前払式支払手段」に該当するか否かの判断内容の適法性はもとより、判断過程の健全性を確保している。

・一部報道で指摘されている件は、2015年5月にスマートフォン向けゲームを対象に事後チェックを行ったところ、『LINE POP』の「宝箱の鍵」に関して、社内担当者による初期段階でのメールによる問題提起をうけ、専任の法務担当者および「資金決済法」に関し豊富な知見を有する外部弁護士に相談・検討したが、同年7月の仕様変更前でも「宝箱の鍵」の外観や使用場面などを総合考慮して「前払式支払手段」に該当しないと判断している。

・法令上の判断基準が明確でないことから“より保守的な対応”として、仕様変更を行った。

→『LINE POP』の「宝箱の鍵」が「通貨」に当たると社内で指摘があったのに、アイテムの用途を制限するなど仕様を変更して規制対象と見なされないよう「恣意的な内部処理をして財務局には届け出なかった」という事実は一切ない。

・「当時の未使用残高は約230億円。長期間使っていない利用者分を除いても数十億円の供託を求められる可能性があったという。」旨の記載があるが、資金決済法上の資産保全の方法は、現金での供託のみでなく、銀行との間で保全契約を締結して資産保全をすることも可能。

・現在は、銀行との間で保全契約を締結して資産保全するの方法を採用しているため、キャッシュアウトの場合でも数千万円程度であり、財務状況に与える影響は軽微である。


※LINE - 【コーポレート】一部報道内容に関する当社の見解について
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1315

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LINEによると、現在も関東財務局とこの点について協議中で、引き続き同局の指導に従って適切に対応したいとしています。

『LINE POP』の「資金決算法」抵触報道をわかりやすく解説…LINEが反論「恣意的な仕様変更」は事実ではない

《津久井箇人 a.k.a. そそそ@INSIDE》

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