住友重機械工業は、自動車のボディやフレームなどの車体部品を大幅に軽量化できる製造システム「STAF(Steel Tube Air Forming)」を開発した。
STAFは、鋼管をプレス機の金型にセットした後、通電加熱、高圧空気注入、成形、焼入れの工程を制御システムにより、フランジ付き連続異形閉断面を高精度に成形加工できることが特徴。
ハイドロフォーミングの連続した閉断面構造を成形できる特徴と、ホットスタンピングの鋼板を加熱しプレス成形と同時に焼入れし、1500メガパスカル級の引張り強度に加工できる特徴を兼ね備えた、軽量、高強度・高剛性な閉断面部材の製造が可能となる。
また、世界初となるフランジ同時成形技術により閉断面構造をフランジ付きとすることで、ハイドロフォーミングなどで課題とされてきた他部材との結合に必要な別物フランジと溶接工程を廃止させるなど、車体部品に採用されやすい構造を提案できる。
今後、部位ごとに980~1500メガパスカルの引張り強度を制御できる局部焼入れ技術や、肉厚の異なるパイプを材料とした差厚成形技術の開発を進め、自動車車体部品に適用可能となる技術の確立を目指す。
すでに車体部品への適用に向けて大手メーカーと検討を開始している。今後も自動車部品メーカー含めた顧客へ提案し、2017年度からの商品化を目指す。
1月13日~15日に東京ビッグサイトで開催される「オートモーティブワールド2016・第6回クルマの軽量化 技術展」にSTAF技術で生産されたパーツを展示している。