気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年10月27日付
●トヨタ世界販売首位、1~9月、VW、失速避けられず(読売・8面)
●次世代タクシーミニバン型、トヨタ17年度中発売(読売 ・8面)
●車の国内生産7.3%減、8社の4~9月海外では増(朝日・9面)
●自動車、最高益相次ぐ、4~9月、北米好調・円安で、日産は5割増益(日経・1面)
●日本郵政、1株1400円、仮条件の上限に(日経・1面)
●常陽銀・足利HD統合、来秋にも、地銀3位銀に(日経・1面)
●ブリヂストン、米タイヤ小売りを買収、1000億円、現地店舗3割増(日経・2面)
●TPPでこう変わる、自動車関連の関税(日経・5面)
●世界戦略車、100か国に輸出、スズキ、インドで発売、日本にも(日経・9面)
ひとくちコメント
ダイハツ工業と日野自動車を含むトヨタ自動車の2015年1~9月のグループ全体の新車の世界販売が前年同期比1.5%減の749万8000台になったそうだ。
その台数だから、どうしたということもないが、きょうの読売や毎日、産経、日経などの各紙は、トヨタと販売台数が拮抗し、しかもディーゼル車の排ガス規制不正問題で揺れる独フォルクスワーゲン(VW)との比較ならニュースになると踏んで、両社の台数を比較している。
その結果、1~6月は、VWがトヨタより約2万台多く、トヨタを上回り世界一だったが、1~9月では再びトヨタが7万台の差で抜き返し首位に立ったという。
トヨタの国内販売は消費増税の影響などでダイハツの軽自動車の落ち込みで減少。新興国でも不振だったが、北米でピックアップトラックなど大型車の売れ行きが堅調だったことなどで補ったという。
では、通年の予想はどうなるのか。各紙は9月中旬に発覚した排ガス不正問題の影響で、VWの世界販売は北米や景気失速の中国で落ち込むとの見方が大勢。首位を争っていたVWの「自滅」により、15年は通年でもトヨタが4年連続トップになる可能性が高いとみている。ただ、日経は「通年のトップ争いの行方は混沌としている」と伝えている。
「トヨタ首位」を取り上げなかったのは朝日と東京で、上半期の話題は8社の「国内生産7.3%減」と報じている。そこで気になるのは「円安で、日産やホンダは輸出を増やしているが、全体では売れる地域でつくる現地生産の流れは続いている」と分析していることだ。
先のTPPの大筋合意でも米国向け乗用車の関税撤廃には25年の歳月がかかることからも「国内回帰」は一筋縄ではいかぬようだ。