PSAプジョーシトロエンは、フランス・ボルドーで開催されたITS世界会議2015において、シトロエン『C4ピカソ』をベースとした自動運転車(レベル3)4台で、パリ~ボルドー間の580kmを自動運転で走行したことを明らかにした。
PSAによれば、この580kmでドライバーが一切関与することなく完全な自律走行を実現。車両が速度制限やインフラに応じて走行をコントロールし、追い越しのためのレーンチェンジも行ったという。さらに、同社は今年7月、自動走行車のテスト走行をフランス国内の公道で実施できる権限を取得した最初の自動車メーカーとなったことも明らかにした。
PSAが「レベル3」としているのは、米自動車技術会(SAE)が設けた定義に相当し、運転者の監視の下、高速道路など自動車専用道路での自動運転を実現したというものだ。
テストに使われた車両にはレーザースキャナ、多機能カメラ、レーダー、GPSなどの各種センサーが搭載された。速度は走行中の乗り物や道路施設など周辺の環境を考慮しながらコントロールされ、高精度なGPSによってレーン追従の下でクルマを誘導。車両が低速車に追いついた場合は、レーンチェンジをして追い越し、元のレーンへ戻れる仕様になっている。
会場ではテスト走行中のビデオ映像が流され、トラックなどの低速車に追いついた時はレーンチェンジも行って追い越していく様子も映し出された。
このテスト走行では、人為的ミスによる事故発生の可能性が一段と低くなり、単調なドライブ状況でドライバーの負担を軽減する効果も発揮。従来よりも快適にドライブが楽しめたことが証明されたという。
PSAグループの取締役会長であるカルロス・タバレス氏は、このテスト走行を行うに当たり「我々のプロトタイプが今日行う旅は、自律走行車が空想小説ではなく現実のものとなった。これは新たな時代を告げるエキサイティングなモビリティであることを証明している」と語った。
会場ではその他、車車間/路車間の通信システムの紹介をパネルで行ったほか、シミュレーターを使って車両とのスマートフォン連携や、不要なブレーキを避けることでCO2削減効果を発揮する効果を体験できるデモも行っていた。