東京商工リサーチは、大規模爆発が発生した中国天津市に進出している日系企業を調査した。
8月12日に中国天津市で危険化学物質を貯蔵する物流企業の倉庫で大規模な爆発が発生した。事故原因の解明は遅れ、爆発による大量の有害物質流出も疑われている。時間とともに企業活動への影響は薄らいでいるが、今回、天津市に進出している日系企業の状況などを調査した。
東京商工リサーチが独自に保有する国内企業データベースと、提携するダン・アンド・ブラッドストリートが保有する世界最大級の海外企業データベースを活用し、日系企業の中国天津市への進出状況を調査したところ、中国天津市には日系企業の拠点は205カ所あり、支配権最上位の日系企業数は161社だった。
天津市の日系企業205拠点のうち、業種別では製造業が147拠点で全体の71.7%を占める。内訳は輸送用機械器具製造業が最多の40拠点だった。
天津市には、トヨタ自動車と第一汽車グループの中国合弁工場があり、中国の自動車関連産業の集積地と言われる天津市に日系自動車関連メーカーが数多く進出していることが明らかになった。
一般機械器具製造業は24拠点、電気機械器具製造業が19拠点と続く。日系企業の中国天津市への進出は製造業に偏重している。
開設年別では、2000年以降の開設が123拠点で、全体の6割を占めた。このうち、2003年は25拠点、2004年が26拠点と多く、この2年だけで全体の約4分の1を占める。リーマン・ショック(2008年)以降は開設が鈍化、2009年は1拠点、2010年が2拠点にとどまる。
支配権最上位企業の本社は東京都が最も多く57社だった。次いで、大阪府の26社、愛知県の25社と続く。この3府県で全体の67.0%を占めている。