【スーパーフォーミュラ 第5戦】石浦宏明が2戦連続ポール獲得…可夢偉2位、中嶋一貴3位

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左から予選2位の小林可夢偉、ポールの石浦宏明、3位の中嶋一貴。
  • 左から予選2位の小林可夢偉、ポールの石浦宏明、3位の中嶋一貴。
  • #38 石浦宏明は2戦連続3回目のポール。
  • マシンに乗り込む石浦宏明。今季3度目のポールを獲得する。
  • #8 小林可夢偉は予選2位。
  • #1 中嶋一貴は予選3位。
  • #2 ロッテラーは予選4位。
  • ピットウォークでは、やはり可夢偉が一番人気のようだ。
  • 朝のフリー走行、コースインする各車(先頭は#34 小暮卓史、次が#8 小林可夢偉)。

12日、全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)第5戦が大分県のオートポリスで開幕。公式予選が実施され、石浦宏明が2戦連続でポールポジションを獲得した。小林可夢偉は2位、中嶋一貴が3位。

九州オートポリスに舞台を移したSF。今季もこのレースを含めて残り3大会、チャンピオン争いも佳境に近づきつつある局面での一戦だ。予選日のオートポリスは、朝は曇りがちで肌寒いくらいだったが、午後の予選開始時までには陽が出て「晴れ」に(ただし時折強く吹く風は冷たい。予選開始時の気温は22度、路温が31度。路面ドライ)。

今季ここまで4戦2勝のポイントリーダー、石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)が好調ぶりを見せつけた。朝のフリー走行ではマシンストップというシーンもあったというのに、予選では観る者にいっさい不安を感じさせずに快走、Q1~Q3を3連続トップタイムで駆け抜けての2戦連続ポール獲得である。

「朝の走り出しでマシンがいきなりストンと止まってしまって、(自分としては)不安もあったんですけど、走行再開後のマシンのフィーリングは良かったです。予選に向けて試したいことも試せました」と語る石浦、迎えた予選では常にコンマ2~4秒は他車に対してのマージンがある雰囲気だっだが、本人は「他とのタイム差がだんだん近くなっていたので、Q3では無難にいったらポールは獲れないと思い、攻め切りました」という。

攻めた結果として「マシンが横を向くようなところも何度かありましたが、それほどタイムロスはしていなかったのかな、とも思います」。Q3のタイムは唯一の1分26秒台(1分26秒633)、終わってみれば速さと強さを存分に発揮する格好で、3回目のポール獲得だ。過去2回(今季第2、4戦)はいずれもポール・トゥ・ウインしている石浦だけに、今回の決勝でも好調を持続し、チャンピオン獲得に向けてランキング首位固めができるかどうか、注目される。

石浦に続く予選2~3位は、小林可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)、中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)という顔ぶれになった。石浦の1勝目だった第2戦岡山の決勝2位が可夢偉で、2勝目の第4戦もてぎの決勝2位が一貴、いずれも最後まであきらめずに追いかけた経緯があるだけに、石浦も「嫌なふたりが横に来ました」と苦笑する。

可夢偉は2カ月半ほど前のテストがオートポリス初走行。ここに限らず、今季は走行経験の少ないコースでの戦いが多いが、この日もセッティング面では「朝からバタバタし続けました」。しかし、「納得はできていませんが」といいながらも「Q3で今日一番いい状態のクルマはつくれました」という流れにもっていったのは流石、SF自己最高の2番グリッドを獲得した。

今年は石浦が1位の際に横にいるケースが予選、決勝を通じて、可夢偉は3度目。「Q3で自分がタイムを出した時、無線で『今、1番』と言われたんですが、その後『でも石浦が(まだタイムを出していない)』と言われた瞬間に『またか!』と思いました。Q2までの状況から考えて、ミスがなければ僕のタイムを越していくんだろうな、と思ったら、案の定、越されました」。

とはいえ、もちろん可夢偉は今回もあきらめるつもりはない。「スタートで前に出られれば、ここはなかなか抜けないと思うんで」。スタートでの先制を期す構えの可夢偉。そして予選3位の一貴も「スタートで前を狙える位置だとは思います」と、やはり虎視眈々だ。石浦を含めて3人ともスタート巧者なだけに、楽しみな決勝開戦となる。

予選4~8位は以下の通り。
4位 アンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)
5位 塚越広大(#10 REAL RACING/ホンダ)
6位 平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)
7位 国本雄資(#39 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)
8位 野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)

現在ポイントランキング2位のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)は予選11位。ポイント首位の石浦がポール獲得で1点を追加したため、現段階でオリベイラとの点差は8に開いている(一貴が首位から9点差、ロッテラーが同13点差。優勝は10点)。

決勝は54周、約250kmの戦い。フォーメーションラップスタート予定時刻は明日(13日)の午後3時となっている。

なお、SFのシリーズ運営団体であるJRP(日本レースプロモーション)の白井裕社長が、予選日の定例メディア懇親会で来季以降の展望・計画について話し、シリーズ日程やタイヤ供給メーカー等に関しても(私案レベルながら)言及した。

JRPとしての発表がまだない来季シリーズ日程(JAFからはカレンダー登録申請として公表済)については、やはり並行参戦選手の多いWEC=世界耐久選手権との重複を避ける方向で調整を進めていくとのことだ。また、ヨコハマがSF用タイヤのテストを進めている件にも白井社長は触れ、現段階ではまだ公式に言えることはないが、来季のタイヤについてはなるべく早く発表したい、とも語った(現在のSF用タイヤはブリヂストン製)。

その他、将来的には市街地での開催(走行)を視野に入れていきたい意向や、土曜~日曜を基本とする現在のレースウィーク走行時間を拡大(金曜使用)する意図があることにも白井社長は触れており、昨年の「SF14」シャシー導入で進んだシリーズの活性化と国際的注目度向上、これをさらに推進していく姿勢を強く打ち出している。

《遠藤俊幸》

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