トヨタの次世代ターボディーゼル…ダウンサイズしながら最大熱効率44%達成

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トヨタ次世代型のグローバル直噴ターボディーゼルエンジン『GDエンジン』
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  • トヨタ自動車 新開発グローバルディーゼルエンジン 説明会
  • トヨタ自動車 エンジン開発推進部 濱村芳彦 主査
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トヨタ自動車が新開発した次世代型のグローバル直噴ターボディーゼルエンジン『GDエンジン』は従来型の『KDエンジン』に対して、排気量を3.0リットルから2.8リットルに、2.5リットルから2.4リットルへと、それぞれダウンサイズしている。

GDエンジンの開発を手がけたトヨタ自動車エンジン開発推進部の濱村芳彦主査は「我々はエンジンが自然に吸う吸入空気量を上げ、燃焼をコントロールする技術を進化させ、何かを犠牲にすることなく、燃費、発進時の走り、静粛性、排気性能のすべての商品力をどのような使われ方でも向上させる排気量を、さまざまな検討で見極め、2.8リットルと2.4リットルを選択した」と語る。

排気量をダウンサイズすると一般的には、燃費向上やノイズを低減できる一方で、発進時のトルクやエミッションレベルが悪化するというデメリットも生じる。

トヨタはこのデメリットを抑えつつ、従来型よりも高性能なエンジンを目指した。具体的には次世代高断熱ディーゼル燃焼と名付けた独自の燃焼技術と、内製化した高効率可変ジオメトリーターボチャージャー、さらにはトヨタ初となる尿素SCRシステムの採用によって実現した。

このうち次世代高断熱ディーゼル燃焼は、より空気の入りやすいポート形状、新開発のピストン燃焼室形状、コモンレール式の燃焼噴射システムで、空気の利用を最大化し高熱効率と低エミッションを両立。さらにシリカ強化多孔質陽極酸化膜(SiRPA)をピストン頂部にコーティングすることで燃焼時の冷却損失を最大30%低減させている。

濱村主査は「これらの技術の投入により、乗用車として世界トップの最大熱効率44%を達成した」とした上で、「発進時から力強い動力性能をお楽しみ頂けるとともに、静粛性についてもエンジンをかけた瞬間から全域で静かで快適な走行を体感できる」と強調する。

また従来型のKDエンジンに比べて、燃費は最大15%、最大トルクで25%、低速トルクでも11%それぞれ向上しているという。

新開発のGDエンジンは、5月にタイで発表した新型『ハイラックス』や日本で6月17日に一部改良した『ランドクルーザープラド』への搭載を手始めに、「今年から来年にかけて、まず87か国に導入し、その後も可能な限り早く世界中に展開する。またその世界展開規模に合わせてGDエンジンを来年には年間69万台生産する予定」と濱村主査は話した。

《小松哲也》

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