アメリカンカスタム風をモチーフにしたホンダの軽自動車『N-BOXスラッシュ』にホンダアクセス製のサスペンションやドレスアップ部品を組み付けたモデューロバージョンを短時間テストドライブする機会があったので、短評をお届けする。ベースモデルは「Xターボ」で、試乗ルートは群馬北方、みなかみ町猿ヶ京温泉界隈。
「誰もがいつでも、どんな道でも気持ちよく走りを楽しめる」というのがモデューロサスペンションのコンセプト。実際に乗ってみると、バランスよくロールさせることで良好な旋回姿勢を作ることを重視したセッティングであることが伝わってきた。
ノーマルのハンドリングも悪いというわけではないのだが、『N-ONE』など他の軽モデルと同様、フロントサスペンションの突っ張り感が強いのが難点で、ハンドル操作で強引にコーナーをクリアするようなところがある。モデューロ版はフロントが適切に沈み込むため、S字が連続するようなところでもスキーのパラレルターンのように体感でリズミカルに走ることができた。
ロードホールディングを改善するため、道路のひび割れや小さなうねりなどを通過するときの微小なストローク領域でもスムーズに動くようなダンパーチューニングがなされているが、それが乗り心地にも寄与しているようで、ハーシュネス(ザラザラ感、突き上げ感)が標準状態に比べて大幅に減り、とてもフラットな乗り味になった。
サスペンションキットの価格は税込み8万1000円。スラッシュを買ったもののノーマルの乗り心地やハンドリングの質感にいまひとつ満足できないというカスタマーがその不満を解消するにはうってつけの商品と言えそうだ。