約2カ月のインターバルを挟んでのシリーズ再開となる富士戦。予選日は雨量が変化し続ける難しい天候での戦いになった。そのなかで行なわれた3段階ノックアウト方式予選で見事に1-2グリッド独占を成し遂げたのが、LENOVO TEAM IMPUL(搭載エンジンはトヨタ)である。アンドレア・カルダレッリ(#20)がポール、そしてジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19)が2位に続いた。
ホンダ勢は19台中の下位5台が落ちるQ1でノックアウト枠を独占するなど苦戦したが、上位8台で争うQ3には大祐とナレイン・カーティケヤン(#41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が進出を果たし、カーティケヤンも5位と健闘した。大祐とカーティケヤンに挟まれた予選4位は2年目の若手・中山雄一(#18 KCMG/トヨタ)。
予選6~7位には小林可夢偉(#8)、平川亮(#7)とKYGNUS SUNOCO Team LeMans(エンジンはトヨタ)の2台が続いた。可夢偉は富士の現コースでまともにレースを戦うのは実質初(荒天の13年WECでの参戦経験はあるが)。しかも雨で、その量が変化し続けるという厳しい環境での予選だった。「毎ラップのように状況が違うなか、正直クルマ(セッティング)もあまり決まっていませんでしたけど、それでなんとかギリギリQ3まで残って6位というのは、こんなもんかな、という感じですね」。僚友・平川ともども、決勝での浮上に期待がかかる。
前年王者で、WECでの負傷により前戦を欠場、今回がSFにおける復帰レースの中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)は予選8位。また、前戦優勝の石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)は10位、開幕戦優勝のアンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が12位、そして13年王者の山本尚貴(#16 TEAM 無限/ホンダ)が最下位19位に沈むなど、難コンディション下での波乱と思われる事象も起きている。彼らの巻き返しも決勝での焦点となるだろう。