【スーパーフォーミュラ 第3戦】星野一義監督のインパルが予選1-2…可夢偉は6位

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
左から2位のオリベイラ、ポールのカルダレッリ、3位の中嶋大祐。
  • 左から2位のオリベイラ、ポールのカルダレッリ、3位の中嶋大祐。
  • ポールを獲得したカルダレッリのマシン(#20)。
  • 予選1-2を決めたインパル勢、ポールのカルダレッリ(左)と2位のオリベイラ。
  • 予選3位を獲得した#64 中嶋大祐。
  • #8 小林可夢偉は予選6位。
  • ファンサービス中の平川亮(左)と小林可夢偉。
  • #18 中山雄一が予選4位に食い込んだ。
  • SF富士戦の予選日は雨量が変化し続けるうえに、風が強いコンディションだった。

18日、全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)の今季第3戦が富士スピードウェイで開幕。公式予選が実施され、現役時代に日本一速い男の異名をとった星野一義監督が率いるインパル勢が1-2を独占した。小林可夢偉は6位。

約2カ月のインターバルを挟んでのシリーズ再開となる富士戦。予選日は雨量が変化し続ける難しい天候での戦いになった。そのなかで行なわれた3段階ノックアウト方式予選で見事に1-2グリッド独占を成し遂げたのが、LENOVO TEAM IMPUL(搭載エンジンはトヨタ)である。アンドレア・カルダレッリ(#20)がポール、そしてジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19)が2位に続いた。

特に快調だったのはカルダレッリだ。Q1~Q3を3連続トップタイムでの完全ポール獲得。「今日はトリッキーなコンディションの予選になることが分かっていたので、朝のフリー走行ではあまり大きくセットアップを変えずに走行を重ねた。マシンの状態に自信をもって予選に臨めたよ」と語るカルダレッリは、「予選1-2という素晴らしい結果で、前戦以降のチームの努力が報われたと思う」と続け、チーム全体としての前進を強調した。

開幕2戦で表彰台なしという、やや苦しいスタートとなった名門インパルだけに、この富士からの捲土重来に向けての努力と決意は並々ならぬものがあったのだろう。チームの陣頭指揮を執る高橋紳一郎テクニカルディレクターも、「ここから流れを変えていきましょう」と語り、完全ドライ路面での走行はなかったながらも、手応えの良さを感じさせていた。ここ4シーズン見放されているタイトルの奪還を目指すインパルが、ドライになることも予想される明日の決勝で1-2グリッド発進からどんなレースを見せるのか、シリーズ展望という意味でも大注目である。星野監督も明日に向け、燃えていることだろう。

カルダレッリは今季インパルに加入した25歳の若手イタリアン。昨年、他チームから富士戦にスポット参戦した際にもポールを獲得する殊勲を演じており、コース相性の良さも後押しになったかもしれない。

予選2位のオリベイラは、「Q1でタイヤ選択を間違った」と語るなど、カルダレッリに比べると順調さを欠いた面があったようだが、Q1の6位から、Q2で4位、Q3で2位と順位を上げて僚友に並んだ。自身とチームにとって2010年以来の王座を目指す彼は、34歳になったばかりのブラジリアン。チーム新加入の若いカルダレッリには負けられないという意地もあるだろう、チームメイト対決という視点でも決勝が楽しみになった。

なおSFのタイヤはブリヂストンのワンメイクで、レインタイヤも1種類だが、各チームは走行マイレージによって溝の高さの違うタイヤをラインナップしておくのが通例で、Q1のオリベイラは「選んだタイヤの溝が浅すぎた」(高橋ディレクター談)ようである。

予選3位はホンダ勢最上位となる中嶋大祐(#64 NAKAJIMA RACING)。日本人初代フルタイムF1ドライバーだった父・中嶋悟監督のもとで走る大祐(中嶋一貴の弟)は、オリベイラと同じくQ1では「溝が浅かったみたいです」という状況ながらそこを11位で突破し、Q2は5位通過、そしてQ3で3番グリッドを獲得した。「ドライに対しての新しいセットアップを準備してきたんですが、そこからの雨への対応をチームが落ち着いてやってくれました。明日はドライだと思いますが、そこでいい結果を出したいと思います」。

ホンダ勢は19台中の下位5台が落ちるQ1でノックアウト枠を独占するなど苦戦したが、上位8台で争うQ3には大祐とナレイン・カーティケヤン(#41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が進出を果たし、カーティケヤンも5位と健闘した。大祐とカーティケヤンに挟まれた予選4位は2年目の若手・中山雄一(#18 KCMG/トヨタ)。

予選6~7位には小林可夢偉(#8)、平川亮(#7)とKYGNUS SUNOCO Team LeMans(エンジンはトヨタ)の2台が続いた。可夢偉は富士の現コースでまともにレースを戦うのは実質初(荒天の13年WECでの参戦経験はあるが)。しかも雨で、その量が変化し続けるという厳しい環境での予選だった。「毎ラップのように状況が違うなか、正直クルマ(セッティング)もあまり決まっていませんでしたけど、それでなんとかギリギリQ3まで残って6位というのは、こんなもんかな、という感じですね」。僚友・平川ともども、決勝での浮上に期待がかかる。

前年王者で、WECでの負傷により前戦を欠場、今回がSFにおける復帰レースの中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)は予選8位。また、前戦優勝の石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)は10位、開幕戦優勝のアンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が12位、そして13年王者の山本尚貴(#16 TEAM 無限/ホンダ)が最下位19位に沈むなど、難コンディション下での波乱と思われる事象も起きている。彼らの巻き返しも決勝での焦点となるだろう。

決勝250kmレース(55周)は明日(19日)の午後2時にフォーメーションラップ開始予定となっている。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集