東京・晴海通りに沿う首都高速10号晴海線で、台船リフトアップによる橋桁架設が始まった。この橋桁の周辺では、2020年の東京オリンピック開催に向けたインフラ整備がすすむ。晴海通りと300mほどの距離を隔てて平行する環状第2号線(環二通り)もそのひとつだ。
環状2号は、皇居の外堀沿いを行く外堀通りと江東区有明を結ぶ全長14kmの幹線道路。江東区豊洲と港区新橋の3.4kmが未開通区間で、豊洲側の高架区間と、新橋寄りの地下区間で工事がすすんでいる。
4月22日、首都高が晴海線橋桁の台船リフトアップを公開した現場から、建設中の環二通り「豊洲大橋」が見え、都心側の案内標識には「溜池」「汐留」という文字が確認できた。この環二通り上には、都心と湾岸エリアを結ぶBRTやLRTの軌道をつくる計画もある。
豊洲駅から時計回りに約4km、1時間かけて歩いてみると、このエリアのインフラ整備や計画の数々が見えてくる。建設中の豊洲新市場を見ながら、台船リフトアップ架設が行なわれている晴海大橋をわたり、晴海三丁目交差点で右折、ふたたび豊洲駅へ戻るというルートだ。
ゆりかもめ豊洲駅の線路末端を見ると、軌道は北へ向けて曲がり途切れている。都心部へ向けた延伸構想もあるが、いまのところ動きはない。同じく、有楽町線の線路が豊洲から住吉方へ延伸する構想も進展はない。
市場前駅周辺には、築地市場に代わる豊洲新市場の姿も現し始めた。晴海大橋の上から、晴海運河を眺めると、豊洲大橋やレインボーブリッジが見え、運河を通る水上バスの姿にも出会えた。この水上交通も「もっと便利な乗り物へ」と期待がかかる。江東区や墨田区などの下町エリアと羽田空港を水上交通で結ぶ空港アクセス計画もある。
選手村建設地を左手に見ながら、晴海三丁目交差点を右折。晴海エリアにBRTやLRTが走る姿を想像しながら春海橋をわたると、海側に東京都港湾局専用線の鉄道橋が見えてくる。朽ちた鉄橋の南側は、タワーマンションの建設がすすんでいた。