JR九州のスイーツ列車、今夏から久大本線で運行

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今夏から運行を開始する「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或(あ)る列車』」用気動車の外観イメージ。戦前の豪華客車「或る列車」を手本にデザインしたという。
  • 今夏から運行を開始する「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或(あ)る列車』」用気動車の外観イメージ。戦前の豪華客車「或る列車」を手本にデザインしたという。
  • 『或る列車』1号車の内装イメージ。テーブル席を設けてスイーツを提供する。
  • 2号車の車内イメージ。個室タイプの席が設けられる。

JR九州は2月25日、「或る列車」を手本にしたとする改造気動車で運行する新しい列車について、列車名を「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或(あ)る列車』」に決めたと発表した。今夏から久大本線で運行を開始する。

いわゆる「或る列車」は、現在の鹿児島本線などを運営していた九州鉄道(初代)が米国ブリル社に発注した、特別車(展望車)や1等寝台車など5両で構成される豪華客車編成。車両が日本に到着した1908年には九州鉄道が既に国有化されていたため、当時の国鉄線を運営していた帝国鉄道庁が引き継いだ。

しかし、1908年に上野~日光間や新橋(現在の汐留)~横浜間で外国貴賓客向けなどの列車として運転された記録はあるものの、実際に旅客列車として使用された形跡はほとんどなく、1925年頃までに教習車に改造。戦後の1956年までに全て廃車されている。戦前の鉄道誌「鉄道趣味」が「或る列車」と題した記事でこれらの客車を紹介したことから、現在も「或る列車」と呼ばれることが多い。

JR九州によると、「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或る列車』」は専用の気動車2両編成を使用。テーブル席と2人用個室、調理場、サービスカウンターを設置する。定員は38人。外観デザインは「或る列車」を手本とし、金と黒、唐草模様をあしらって「JR九州流にアレンジ」するという。

車内では、東京南青山の「NARISAWA」オーナーシェフ・成澤由浩さんが監修した料理を提供する。パンやスープなどの軽い食事から始まり、スイーツ3品、最後にミニャルディーズ(焼き菓子)を乗客に味わってもらう。

運行区間は久大本線大分~日田間と佐世保線・大村線・長崎本線の佐世保~長崎間で、金・土曜と休日を中心に運行する予定。まず今年の夏季に大分~日田間で1日1往復運行し、秋季以降は佐世保~長崎間で1日1往復運行する。料金は基本プラン(2人席を2人で利用)が1人2万円から。個室利用の場合などは別途料金がかかる。

《草町義和》

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