旅客機のエンジンを整備する工場というと、油や排気ガスの臭いに金属を叩く音といったイメージだが、成田空港に隣接するJALエンジニアリングのエンジン整備センターで受けた最初の印象は意外にも「静かで清潔」だ。
JALグループの機材のほか、防衛省(政府専用機、KC767空中給油機、C-2大型輸送機、E-767早期警戒管制機)、全日空(ANA)、TEXLなど、他社からの受託整備作業も行う同社は、「エンジン構成部品を単体まで分解し、エンジンブレード1枚、ボルト1本まで検査し、修理・組立・試運転まで実施する」という。
「ENGINE TEST CELL AREA」と記されたエンジン試運転場も、稼動していないときは怖いほどに静か。「例えば、B767のCF6(GE製ターボファンエンジン)の場合、約90日間かけてエンジンの分解・整備を行なう。試運転は2日間かけて実施する」と担当者は話していた。
ゴミひとつ落ちていない床から天井へと視線を移すと、モノレールが各部門を結んでいるのが見えた。このモノレールを使ってエンジンなどを空中搬送するという。