富士重工が2020年に向けて進めるもう一つの中期計画

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東京・恵比寿にある富士重工業の本社ビル
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2020年は富士重工業にとって重要な年だ。それは中期経営計画「際立とう2020」の仕上げの年だからだ。

その目標は4つ。お客様からの信頼ナンバーワン、高いブランド力、業界高位の利益率、そして販売台数110万台プラスαだ。実はこの「際立とう2020」のほかに、2020年に向けて密かに進めている中期計画があるのだ。

2020年といえば、誰でも知っているとおり東京オリンピックが開催される年だ。「そのマラソン競技にスバルの選手を送り込もうと考えているんですよ。いまから有望選手を鍛えていけば、3人の代表のうち1人ぐらいいけるんじゃないかなと思っているんです」とスポーツも担当している近藤潤副社長は打ち明ける。

富士重工の陸上部は、今年の1月1日に行われた「ニューイヤー駅伝」にも出場した強豪で、選手の育成には定評がある。なにしろ、ほとんど無名の選手を鍛え上げて、ニューイヤー駅伝で活躍するまでにしているからだ。

「本当は大学駅伝で活躍した選手を採りたいのですが、そういった一流選手は毎年優勝争いをする会社が根こそぎさらってしまうんです。それで、うちは埋もれているけど秘めた能力のある選手を見つけ出し、育てなければならないんです」と近藤副社長。

しかし、陸上選手の獲得競争は年々激しくなっており、磨けばダイヤモンドになる陸上選手を見つけるのが至難の業になっているという。そのため、長距離を走るのに自信があり、根性のある大学生や高校生は名乗り出て、富士重工の陸上部の門を叩いてほしいというのが、近藤副社長の偽らざる思いのようだ。

そんな中で進めるもう一つの中期計画、果たして達成できるかどうか、今から楽しみである。

《山田清志》

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