ホンダが10日に発表したEセグメントサルーン『レジェンド』。メインターゲットの北米市場では3.5リットルV6のガソリンモデルが主力だが、日本ではハイブリッドのみのモノグレード構成だ。
「SPORTS HYBRID SH-AWD(スポーツハイブリッド スーパーハンドリング AWD)」というきわめて長い名称を持つハイブリッドシステムは、AWDの名が示すように4輪駆動。フロントは最高出力314ps(231kW)の3.5リットル直噴V6SOHCエンジンと最高出力47ps(35kW)の電気モーター1基を内蔵した7速DCT(デュアルクラッチ変速機)、リアアクスルには最高出力37ps(27kW)の電気モーターを2個装備。エンジンとバッテリーが同時に発生させられる出力の上限値は381ps(282kW)だ。
基本的にはモーターアシスト型のパラレルハイブリッドなのだが、後輪にもモーターを装備したことから、DCTパラレルハイブリッドシステムが先行投入された『フィットハイブリッド』や『ヴェゼル』とはかなり異なる制御が行われている。
フィットハイブリッドやヴェゼルは4輪駆動であってもモーターはフロントのみであるため、状況に応じてパワーアシストとエネルギー回生の両方を適宜行う。それに対し、リアにもモーターを持つレジェンドの場合、、フロントモーターは主に発電に使われ、アシストに回るのは限られた条件下のみ。市街地や地方道など、エンジンの負荷が軽すぎて熱効率が悪いときに発電してエンジンの負荷を増やし、得られた電力をリアモーター送ったり、電池に蓄えたりといった制御を行う。
電気駆動の主体は合計出力74psのリアモーターで、低中速巡航時はバッテリーの残電力量が十分にあるかぎり、EVモードで走るようセッティングされているという。エンジンで発電しながらリアモーターを駆動させるという点では、シリーズ的な要素を持っていると言っていい。ただし、エンジニアの説明を聞くかぎりでは『アコードハイブリッド』のようにエンジンを発電のみに用いるモードはないようで、パラレルハイブリッド方式であることに変わりはない。