【MINI ハッチバック 5ドア 試乗】メリット満載、快適性優先ならノーマルなクーパーがお薦め…青山尚暉

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MINI クーパーS 5ドア
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  • 前席背もたれのえぐれ
  • MINI クーパーS 5ドア

MINI 『ハッチバック』3ドアは同クラスの輸入コンパクトカーの中で、デザイン性や走りの上級感、楽しさに突出した1台だ。

が、MINIに魅力を感じていても3ドアじゃやっぱり不便…と感じ、購入に踏み切れないケースもあるだろう。そんなユーザーにとって待ってました! と言えるのが、5ドアモデルである(『クロスオーバー』も5ドアだが、別種のMINIだろう)。

もちろん、ただリヤドアを追加しただけじゃない。MINIそのものの前後デザインを生かしつつ、ホイールベースを70mm、全長を165mm、リヤオーバーハングを95mm延長。結果、後席ニースペースと荷室の奥行きが拡大されたのである。

具体的には、想像以上に大きな開口部を持つリヤドアから乗車すると、身長172cm のボクのドライビングポジション基準でひざ回りスペースは3ドアの50mmから90mmに拡大(前席シートバックのえぐれている部分なら120mm)。短中距離のドライブなら無理のない居住スペースが確保されている。荷室も奥行きが3ドアの実測375mmから570mmに伸び、荷物の積載性は格段に向上しているからうれしい(容量は3ドアの209リットルに対して276リットル)。

ところで、リヤドアの追加は、後席の乗降性が高まるだけにとどまらない。ドライバーにとってもコートやかばんなどの荷物を置きやすく、取り出しやすいメリットがあり、さらにフロントドアの長さが短くなるため全開性能が高まり、前席の乗降性まで良くなるわけだ。リヤドアの小さなサイドウインドーが全開できるのも後席の快適性に直結する。後席の乗車定員が3ドアの2名から3名になることも(現実的には2名分のシート、居住スペースだが)、万一の際は便利だろう。

そんなファミリーカーとして大歓迎すべきMINI 5ドアの走りは、ロングホイールベースが生きる、よりフラットで落ち着いた乗り心地が大きな特徴となる。ただし、そうした美点は標準タイヤが15インチの「クーパー」でより鮮明になる。試乗車の中には標準タイヤが16インチ で、オプションの18インチタイヤとスポーツサスを装着する「クーパーS」もあったが、少なくとも乗り心地に関してロングホイールベースの恩恵は薄まってしまうのだ(つまり、硬い )。

よって、MINI 5ドアをファミリーカーとして乗り心地、快適性優先で選ぶなら、クーパーの 、できれば標準タイヤ&ノーマルサスペンション装着車を薦めたい。ゴーカートフィーリングのMINIらしさは後退するものの、それでもミニならではのデザイン、キビキビした走りの楽しさは十分に味わえる。1.5リットルターボエンジン(136ps)+6ATの動力性能は大人3人乗車でもストレスなし。爽やかな加速力を発揮してくれるからでもある。

つまり、例えばMINIらしさをとことん味わう前席メインのカップルズカーとしてなら3ドアのクーパーS(192ps)だが、ミニの雰囲気を楽しみつつも後席や荷室の実用性を重視するファミリーなら5ドアのクーパーがある…そんな選択が可能になったということだ。5ドアの追加で、MINIが、MINIファンが一気に増殖すること間違いなしである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペット とドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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