矢野経済研究所は、先進運転支援システム(ADAS)世界市場に関する調査を実施。その結果を「2014 先進運転支援システム(ADAS)用キーデバイス/コンポーネント」にまとめた。
調査は2014年6月から9月の期間、カーエレクトロニクスメーカ、半導体メーカ、自動車メーカを対象に、同社専門研究員による直接面談、電話・Eメールによるヒアリング、文献調査を併用して行った。
本調査におけるADAS用キーデバイス/コンポーネントとは、車両のフロントおよびサイド、リアに搭載された76/77GHzミリ波レーダ、24/25GHz準ミリ波レーダ、カメラ、赤外線レーザ、ナイトビジョンなど、各種センサユニットを指す。いずれも、乗用車および車両重量3.5トン以下の商用車に搭載されるキーデバイス/コンポーネントが対象。
調査結果によると、2013年のADAS用キーデバイス/コンポーネント世界市場規模は1871億円となった。ADAS搭載車種が日米欧で急激に増加しており、2014年から本格的な拡大基調に入り、2014年の同市場規模は前年比40.5%増となる2629億円と予測する。
欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)においてADASの評価が2014年から始まり、日本や米国でも新車安全評価項目への追加が検討されている。このため、自動車メーカではADASの採用を積極的に進めており、2015~2016年よりADAS用キーデバイス/コンポーネントの需要拡大が見込まれる。2020年のADAS用キーデバイス/コンポーネント世界市場規模は2013年比4.8倍の9038億円に成長すると予測する。
ADAS用キーデバイス/コンポーネントの中で、最も成長率が高いのがADAS用カメラだ。カメラは車両と人の認識・区別が可能であることから、ユーロNCAPで2016年から評価が始まる歩行者保護に向けて各社の製品開発が進展中。このため、カメラユニットのコストダウンも進み、2020年のADAS用カメラユニットの世界市場規模は3347億円に拡大すると予測する。