10月3日、ミシュランは同社のトラック用のワイドシングルタイヤである『X One』のユーザーやサプライヤー、自動車メーカーなどを集めた「X Oneユーザーミーティング」を神戸にて開催した。
ミーティングの開始にあたって日本ミシュランタイヤ 代表取締役社長 ベルナール・デルマス氏は、「ミシュランは1964年に東京モノレールのタイヤで日本市場に参入してから50年になりました」と挨拶し、近年ではエコファースト企業として低燃費タイヤや環境保全にも取り組んでいるとした。
そのひとつが2007年から日本市場に投入しているX Oneシリーズだという。X Oneは、通常トラクターやトレーラーのダブルタイヤを幅広のシングルタイヤに置き換え、燃費向上やコストダウンに貢献するという製品。新製品ではないが、あらためて日本の運送業界にX Oneの良さをアピールしていきたいとのことだ。
そのX Oneの良さとは、シングルタイヤ化による軽量化分で積載量を増やすことでの輸送効率アップ、転がり抵抗減による燃費向上、タイヤの本数減によるメンテナンスコストの削減の3つだという。
しかし、トラックのシングルタイヤというコンセプトは以前からあり、ミシュラン自体も2001年には米国市場に製品を投入している。なぜ、このタイミングでのアピールなのだろうか。デルマス氏に話を聞いたところ、「米国ではメジャーになってきたシングルタイヤは、近年日本の運送業の抱える問題の回答になると考えている」との認識を示した。米国ではシングルタイヤ市場の競合も少なくないが、日本市場ではミシュランのX Oneが先行している。日本で本格的なシングルタイヤ市場が立ち上がろうとしている現在、その先行の利を生かすべく、このようなPRイベントを企画したようだ。
そして、デルマス氏は「日本のメーカーと協力してシングルタイヤにあったトラックをデザインしたい」とも述べる。実は、X Oneユーザーミーティングには、運送業界だけでなく、日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそう、UDトラックスなど主だったトラックメーカーも招致しており、「日本のトラックのシングルタイヤ化を推進する」という戦略を示した形だ。