ダイハツは1年前のジャカルタモーターショー13で、小型クロスオーバー・コンセプトの『CUV』を披露した。今回の『CUV2』はその続編だ。CUVがコンパクトなキャビンでパーソナル感を強調したのに対し、CUV2はルーフを延ばして充分な後席空間を確保。ドアも観音開きから通常の4ドアに改め、現実味を増している。
インドネシアでは13年からLCGC(ローコストグリーンカー)と呼ぶ税制優遇策が始まり、ダイハツはそれに適合する小型5ドアの『アイラ』を発売。これがヒットして、現地の中核車種になっている。そのアイラのプラットホームを拡幅し、LCGC適合のクロスオーバーを作れないか…というのがダイハツがCUV2に込めた意図だ。
LCGCには価格や燃費だけでなく、最小回転半径が4.6m以下という規定がある。そこでCUV2はホイールベースはアイラと同じ2450mmにとどめる一方、全幅を80mm広げて1680mmとした。トレッドを広げて前輪の舵角を大きくすることで、クロスオーバーに相応しい大径タイヤを履いても回転半径が4.6m以下に収まるという狙いである。
CUV2のデザイン開発では、ダイハツと現地資本の合弁会社であるアストラ・ダイハツ・モーター(ADM)のデザイン部門が大きな役割を果たした。エクステリアの主担当を務めたのは、アイラにも参画したADMのマーク・ウィジャヤ。ダイハツ本社のサポートを受けながら、スポーティかつエレガントなフォルムを創り上げた。「不要な要素をなくし、シンプルだがエモーショナルなデザインを心掛けた」とマークは告げている。
LCGC適合のクロスオーバーは、まだコンセプト段階。具体的な開発は始まっていないようだが、インドネシアでは道路事情や洪水のため地上高の高いSUVやクロスオーバーに人気がある。グローバルに見ても、小型クロスオーバーは成長市場だ。「インドネシア発」の次世代スモール・クロスオーバーが遠くない将来に登場する…そんな期待が募るCUV2である。