マツダの新型『デミオ』の開発責任者である商品本部の土井歩主査は、4代目では「クラス概念を打ち破る」をテーマに商品化に挑戦したと振り返る。
土井氏は「クルマにはA、B、Cといったサイズによるクラスがあるが、性能やデザインもそれぞれのクラスに付随するという風潮がある」と指摘する。つまり、大きい車ほど装備なども高級にするというカテゴライズの考え方だ。
土井氏によると新型デミオでは「スタイリングと品質感」をはじめ、「走りと燃費」「ロングレンジドライブ」―の3項目で、コンパクトというクラスの概念打破に挑んだ。スタイリングは、『CX-5』以来の「魂動」をテーマにしたデザインを、この小さなサイズにも表現したという。走りと燃費は、新開発ディーゼル車の30km/リットル(MT車、JC08モード)という燃費性能に代表される。
3番目のロングドライブは、車体骨格の見直しなどにより「どちらかというと街乗り中心というコンパクトの概念を脱し、長距離にも疲れない操縦安定性の確保や安心・安全技術の採用を図った」(土井氏)。これにより土井氏は、「ダウンサイジング」を検討する中高年世代とともに、運転する楽しさや安心感で若年層にもアピールしたいという。