【ジャガー Fタイプクーペ 試乗】日常から非日常への黄金のスイッチ…青山尚暉

『Fタイプクーペ』はジャガーとして久しぶりにダイナミクス性能、パフォーマンスにフォーカスした本格スポーツカーだ。

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ジャガーFタイプクーペ
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『Fタイプクーペ』はジャガーとして久しぶりにダイナミクス性能、パフォーマンスにフォーカスした本格スポーツカーだ。

スタイリングがいかにもスーパーカー、ぺったりしていないのがジャガーの奥ゆかしさでもある。

その流麗なオールアルミ製ボディーのシルエットに近づけば、無粋なドアノブの出っ張りなどない。ドアに埋め込まれた部分をプッシュし、空気抵抗に配慮したデプロイヤブルドアハンドルを引き出してドアを開ける…それだけでこれから始まるスポーツカーとの熱い時間を予感させるというものだ。

ドライビングポジションはなるほど、低い。そして今回試乗したV6モデルのエンジンに火を入れるため、ゴールドに彩られたプッシュスタートボタンを押せば、あたりの空気を震わす迫力に満ちたV6 DOHCスーパーチャージャー、340ps/450Nmを絞り出すパワーユニットの「バォン」という轟音が響きわたる。日常から非日常への黄金のスイッチ、とも言える。

その走りは刺激の塊と言っていい。タイトなスポーツシートに身を沈め、8ATを操作し、アクセルをゆっくりと踏んでいけばクルーズはごく静か。乗り心地は荒れた路面でもジャガーならではの洗練を見せ、硬めながら感動に値するほどスムーズだ 。

が、レブカウンターが2000回転を超えたところから刺激的にもほどがある快音に2シーターのコクピットは包まれる。すでにアドレナリンは逆流し始めている。理性えと興奮の間で揺れ動く自分がいる。それでも理性を振り払い右足に力を込めれば 、まさにロケットのような血の気の引く加速を開始する。パドルシフトもまたゴー ジャスなゴールドだからたまらない。

パワステはズシリと引き締まったタッチを伝え、速度を上げるほどに車体(という か1925mmもの車幅が)がコンパクトに感じられ、人車一体感が強まるのは、スポーツカーとして不可欠な機能。正確でクイックな操縦感覚、強力なブレーキシステムはまさに自由自在の走りを可能にしてくれる。

ドライバーの着座位置はほぼ車体の中心。前後50:50の重量配分、最高速度260キロ、0-100km/h5.3秒というスペックはともかく、走りだした瞬間から選ばれし乗員に流れる血はジャガースポーツのあくまでもジェントルな熱さに支配されるのだ。

それでいてアイドリングストップが付き!!、 最小回転半径は全長4470mmのショーティーなボディーサイズもあって5.2mと小回りが利くというエコへの配慮、実用性をも併せ持つ。価格はV6モデルで(V8もある)見た目1000万円オーバーのイメージにして、なんとBMW『X5』同等の823万円から。価格もまた"想像を下回る"という意味で超刺激的ではないか。日常的に非日常のスポーツカーの世界を堪能するならみのV6で十分すぎる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★


青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。
《青山尚暉》

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