真っ先にギャンブルに出たのは5位を走っていた石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)だが、彼が45周終了時にピットインしてレインタイヤに履き替えた後、しばらく他車は判断を保留していた。しかし、49周目にトップを走るジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)がスピン、コース上にストップする波乱が発生し、セーフティカー(SC)導入となる。この前後でレインタイヤへの交換のためにピットインするマシンが増え、順位関係が一時的な混乱状態に陥ってゆく(オリベイラのスピンは、前にいた周回遅れのマシンのクラッシュの余波を受けたもののようで、なんとも不運な状況だった)。
SC先導走行中に隊列が落ち着くと、トップはスリックタイヤでコースにとどまったアンドレ・ロッテラー(#36 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)。同じくスリックタイヤ維持を選んだジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING/トヨタ)とナレイン・カーティケヤン(#20 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)が2~3位に続き、4~7位にレインタイヤ組の一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)、平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)、国本雄資(#39 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)、石浦が並ぶ形勢になる。
2位になった20歳の平川は参戦2年目、これがSF初表彰台となった。3~4位に国本、石浦のセルモ・インギング勢が続き、5位はやはりレインタイヤへの交換を選択していた山本尚貴(#1 TEAM 無限/ホンダ)。タイヤ的にはレイン選択組がトップ5独占、エンジン的にはトヨタがトップ4独占、ドライバー的には日本勢がトップ5独占というかたちになっている。ポール発進のアンドレア・カルダレッリ(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)は4位走行中の45周目にコースアウト、リタイアだった。