製品統括センター車室空間企画室 室長の古田雅子氏によれば「通常のシートはあらかじめ形作られた発泡ウレタンの上にシートカバーのように表皮をかぶせる。これだとピンで留めたとはいえ、隙間を完全に解消することはできない。表皮一体発泡工法を使うと表皮の隅々までウレタンが行き渡り、フィット感でも乗り心地でも優れた結果を出すことができる」と説明。これにより、IS F SPORTのスポーティな走りから生じる、旋回時にかかる重力加速度から方や腰をしっかりとホールドできるという。
会場にはIS F SPORTに採用の本革シートが置かれ、実際にその座り心地を体感することができた。また、同じ工法で作られたGAZOOレーシングの「GRMN 86 Concept」で採用されたスポーツシートも展示されていた。
BMW i3に採用された樹脂素材シートは、骨格材に通常の鉄ではなく樹脂を採用することで、軽量化と同時に全体を30~40mmほど薄型化できることに特徴がある。表皮のレザーやファブリックの選定はBMW側で行ったということだが、シート自体の設計から評価まで開発作業はトヨタ紡織がすべて行ったという。