【新聞ウォッチ】ソニー2年連続の赤字予想、際立つ改革遅れの「独り負け」

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2014年5月15日付

●ベトナム反中デモ、工場放火、日系巻き添え(読売・1面)

●ソニー独り負け、2年ぶり赤字、リストラ中途半端(読売・13面)

●ガソリン高地方を直撃、物価と暮らし(毎日・7面)

●上場企業今期最高益へ、製造業、海外で稼ぐ(日経・1面)

●パイオニアAV事業売却、船井電機などと交渉、カーナビに専念(日経・1面)

●リクルート変革へ賭け、10月メド上場、巨額資金調達(日経・13面)

●NTN、メキシコに工場、車部品、日米欧勢に供給(日経・13面)

ひとくちコメント

来月開幕するサッカーワールドカップブラジル大会もそうだが、スポーツの世界では勝ち負けはツキもの。だが、企業の決算発表でも、それが通用することもある。

ソニーが発表した2014年3月期の連結決算は、税引き後の利益が1283億円の赤字で、2年ぶりの赤字転落となった。しかも15年3月期予想でも最終(当期)損益が500億円の赤字になる見通しだという。最終赤字は2年連続となる。

人気企業だったソニーだけに、きょうの各紙も決算関連の記事を大きく取り上げているが、際立つ見出しは「独り負け」。産経は1面トップで「今期500億円赤字予想『独り負け』」。読売は経済面トップで「ソニー独り負け」、東京も「電機業界で『独り負け』」との大きなタイトル。まるでスポーツ紙のようだ。

パナソニックやシャープが2年連続の最終赤字から一転し、黒字を確保している中で、「電機大手8社のうち、ソニーを除く7社が14年3月期の税引き後利益で黒字を確保。大手電機で独り負けとなった」(読売)。

「独り負け」の要因は「家電不調、コスト減遅れ」(東京)という。なかでも、売上高の約7割を占める本業のエレクトロニクス(電機)事業は3年連続の営業赤字。最大の懸案は10年連続で赤字となっているテレビ事業が相変わらず改善されていない。「映画、音楽、金融という電機以外が稼ぐ構図は変わっていない」(毎日)からだ。

ピークを終えた3月期決算の企業では「最高益の更新」が相次いでいるが、電機業界に限らず、ソニーは日本企業の中でも「独り負け」ともいえるだろう。もっとも、会社名は伏せるが他の業界でもソニーの経営体質に似ている大企業病に見舞われた会社もあり、「明日は我が身」とならなければいいが…。

《福田俊之》

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