【BMW i3 試乗】目の前にある近未来は何もかも斬新…島崎七生人

試乗記 輸入車
BMW i3
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全体が斬新。けれどそれが“次世代”でも“近未来”でもなく、今、現実のクルマとして目の前にあることが重要だ。その意味で、間違いなく意欲作、である。

以前、日本でも『MINI』で実証実験が行なわれていた。なのでサイズ感といい「ミニの“ガワ”だけBMWに仕立てたのね」とさえ思っていた。が、実車はまるごとの新規開発。日本からアメリカ、ドイツと渡って完成するという炭素繊維強化樹脂ボディ、パワー&ドライブトレーンをひとまとめにしたアルミ合金シャシーなど大ドコロは無論、製造工程からのゼロエミッションのための技術的トピックは枚挙に暇がない。155/70 R19 84Qサイズというユニークなタイヤも、効率とエンジニアのセンス(走行抵抗を増やさないため無闇に幅広タイヤにしない)が決めたものだろう。

ショーカーがそのまま現実世界に飛び出したかのような実車は、まさに走るアイコン。凝りまくったディテールに目が行く。が、なだらかな後ろ下がりのルーフなど、周到に空力に配慮している。

インテリアは意外と普通。後席、ラゲッジルームも実用になるスペースだ。ケナフ等天然繊維を用い、スマートに仕上げられる。表示類は当然ながら液晶ディスプレイだ。着座位置、運転感覚も思ったよりも自然だ。

試乗車はエンジンを搭載しないほうの『i3』だった。例のタイヤは思いの他ロードノイズが小さく、発進はごくスムース。またステアリングフィールがしっかり“作られて”いるのもさすがBMWだ。乗り心地は場面によりピッチングを感じるも、硬過ぎず快適な部類。そして通常は「ECO PRO+」モードでも十分だが、最大の加速を試すと大排気量車のような加速がもたらされる。減速時の回生システムの起動によるブレーキングの強さは独特で、止まる際は、最終位置にしっかりと目標を定めてアクセルをジワジワと戻していくといい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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