アイドリングストップ車/マイクロHV向け二次電池市場、2025年には20.5倍…富士経済調べ

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GSユアサ アイドリングストップ乗用車専用バッテリー「ECO.R IS」(参考画像)
  • GSユアサ アイドリングストップ乗用車専用バッテリー「ECO.R IS」(参考画像)
  • パナソニックストレージバッテリー CAOS PRO(参考画像)
  • SCL ルノー TWIZY ZE
  • トヨタ車体・コムス

富士経済は、次世代環境自動車分野、電力貯蔵分野、動力分野、家電分野における二次電池搭載製品とその二次電池市場を調査。その結果を報告書「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2014」次世代環境自動車分野編と動力・電力貯蔵・家電分野編にまとめた。

次世代環境自動車分野、電力貯蔵分野、動力分野の製品に搭載される大容量の二次電池市場は2013年に前年比19.1%増の1兆6645億円となり、2025年には2013年比5.9倍の9兆8570億円が予測される。2013年時点では次世代環境自動車分野と電力貯蔵分野がそれぞれ市場の4割弱を占めるが、今後はHVやEV、PHVなどの普及により、次世代環境自動車分野のシェアが拡大し、2025年には市場の7割強を占めると予測される。

アイドリングストップ自動車(ISSV)とマイクロハイブリッド自動車(マイクロHV)には、主電源用に加え、アイドリングストップ中の電源供給やエンジンスタート時のアシスト用にも二次電池が搭載される。自動車メーカーがISSVのラインアップを拡大させており、今後も自動車の環境性能を向上させるシステムとして広く普及が予想される。現状では欧州が先行しているが、今後はアメリカ、中国などでも普及が進み2025年にはそれぞれのエリアで1000万台超が予測される。日本では2010年前後から搭載モデルが急増しており、軽自動車やミニバンなど車種を問わず増加している。

採用される二次電池については、鉛電池は既存の補機用電池の容量アップにより安価なシステム構築ができるため、安定的な需要が想定される。この他、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池が鉛電池のアシスト用として採用されており、今後リチウムイオンキャパシタの採用も期待される。ISSV/マイクロHV向け二次電池市場は2013年の321億円から2025年には2013年比20.5倍の6589億円が予測される。

電気二重層キャパシタは、日本では2012年から採用しているマツダに加え、2013年にホンダが採用を開始したことで大きく拡大。2015年以降、欧米自動車メーカーにおいても採用が増加し、世界的に市場が拡大するとみられる。リチウムイオン電池は現状日系メーカーが先行しているが、今後は欧州自動車メーカーを中心に48Vシステムの採用が始まるとみられ、一台あたりの搭載容量の増加もあり市場は2025年で2013年比73.6倍と急拡大が予測される。

マイクロEVの需要は中国を中心に形成されており、世界で2013年に15万3600台、2025年には30万600台が予測される。そのうち日本は2013年に1500台、2025年には1万800台が予測される。

圧倒的な電池パックの安さから鉛電池の採用が多いが、ルノー『トゥイージー』など大手自動車メーカーが展開するマイクロEVや、日本での超小型モビリティ車両規格制定に向けた実証車両としてトヨタ自動車、日産自動車、ホンダなどが開発したコンセプトモデルではリチウムイオン電池が採用されている。今後、欧州を中心に日本やアメリカなどでもリチウムイオン電池採用モデルの増加が期待され、2025年にはマイクロEV向け二次電池市場の3割をリチウムイオン電池が占めるとみられる。

《纐纈敏也@DAYS》

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