トヨタ自動車は一部改良した『86』を6月2日から販売を開始すると発表した。操縦安定性と乗り心地を向上させたのが最大の改良点で、外観ではルーフアンテナをシャークフィンタイプに変更した程度にとどめている。
チーフエンジニアを務める多田哲哉氏は「要望の多かったシャークフィンアンテナを標準装備した」とした上で、「実は今までのトヨタ車に採用されていたシャークフィンアンテナにはラジオ受信機能が入っていなかった」と明かす。
このため「シャークフィンの中にラジオアンテナ機能を埋め込むことが難しいため、ラジオアンテナはリアガラスに埋め込んで対応していた」という。しかし、86の場合はリアウィンドウが寝ているため、十分なアンテナ機能を保てないことから、シャークフィンを断念し、ポールアンテナが採用されたという経緯がある。
「トヨタが想定するラジオ受信感度を満足させるものができなくて、ずっと開発を続けてきたが、今回やっと我々の基準をクリアするアンテナができたので、シャークフィンを標準装備した。これによりずいぶんスタイリッシュになった。すでに社外品のシャークフィンを付けている客様も、これに変えて頂ければラジオもしっかり聞くことができる」と多田氏は話していた。