【ボルボ 60シリーズ 発売】ボルボの新世代パワートレイン「Drive-E」

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ボルボ・カー・ジャパンは新世代パワートレイン「Drive-E(ドライブ・イー)」の2リットル4気筒ターボ「T5 エンジン」を、ボルボ60シリーズ(『S60』『V60』『XC60』)に搭載し、2月20日から販売を開始した。

新世代パワートレイン「Drive-E」とはどのようなものなのだろうか。ボルボ・カー・ジャパン コーポレート・コミュニケーション部の相良賢一氏にお話を伺った。

相良氏によると「Drive-E」とはボルボが新開発をしたパワートレインの呼称で、「Drive-E」の「E」には「Efficient power(高効率でパワフル)」「Electrification(電動化)」「Environment(環境性能)」の3つの意味が込められているという。

◆ガソリン、ディーゼル全てのエンジンを2リットル4気筒エンジンに一本化

「Drive-E」エンジンは、将来的にガソリン4種類、ディーゼル4種類の計8種類全てのエンジンが2リットル4気筒1種類となるのが最大の特徴である。一本化することの最大のメリットは、全てのエンジンを1つのアーキテクチャで構成することができ、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンでは25%が共通の部品、50%が類似部品で製作できることである。各エンジン感の違いは過給器で差別化を行っていくという。

アーキテクチャを共有することで今後のボルボラインナップは今後共通のボディアーキテクチャ「SPA(Scalable Product Architecture)」を採用し、車体も共通化していくとの話である。

気になるディーゼルエンジンの日本導入に関しては「日本のマーケットでもディーゼルの要望が日に日に高くなっている。我々としては是非導入したいが、具体的な時期は決まってはいない」と相良氏は述べた。

また「E」の2つ目の意味である「Electrification(電動化)」については、今後ハイブリッドを含めて展開していくという。

◆ガソリンエンジンにコモンレール式直噴技術

では今回導入されたT5エンジンのディテールをみてこう。最大の特徴は、ガソリンエンジンにもかかわらずデンソー製のインジェクターを用いたコモンレール式の直噴技術を搭載していることである。

コモンレール式直噴技術はディーゼルエンジンでは積極的に用いられている技術だが、T5に搭載される燃焼システムはシリンダー中央にスパークプラグとインジェクターを配置した独自のレイアウトを採用。ポート噴射や横からの直噴式に比べ、より優れた混合気の成層化、触媒の効率的な高温化が可能となり、燃費性能や低回転域でのトルクを向上させる効果があるという。

噴射時の圧力は最大200bar。相良氏によると、ガソリンエンジンではトップクラスの圧力だそうで、カリフォルニアの「LEV 3」、ヨーロッパの「Euro6」、日本の「SULEV」などの各国の排ガス規制に適合している。

今回日本に導入されたのはシングルターボの245馬力、350Nmを発揮するエンジンで、これは「Drive-E」エンジンの中で上から2番目のエンジンである。相良氏は「XC60には従来からフォードと共同開発をした2リットルガソリンエンジンを搭載するグレードがあったが、今回のエンジンは以前のものに比べてより燃費も加速もいい」と述べた。同氏によると、今後はターボとスーパーチャージャーを組み合わせたよりパワフルなT6エンジンや、ベースグレード、エントリーグレードに搭載されるエンジンも登場するという。

◆アイシンAW製の8速トランスミッション

「Drive-E」は、搭載されるトランスミッションも新設計である。今回搭載されたトランスミッションは、従来の6速から8速に多段化されたもので、多段化されていながらも重量は同じで非常にコンパクトな設計となっている。国内で販売されるFF用のトランスミッションで8速というのは最も多段化が進んでいるトランスミッションで、相良氏は「エンジンとよくマッチしていて、スムーズさを体感していただくのに非常に貢献しています」と述べた。

なお、前述したデンソー、アイシンAWの他に、メーターは矢崎総業、エアコンはサンデンなどボルボのクルマには日本の技術が積極的に搭載されている。相良氏は、ヨーロッパの製品と比べて性能や信頼性が高いとその理由を説明した。

《橋本 隆志》

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