【フェアレディZ NISMO 試乗】気持ちよく回るエンジンの快感…松下宏

試乗記 国産車
フェアレディZ
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日産は最近、NISMOの位置づけを高め、いろいろな車種にNISMOモデルを設定している。その代表ともいえるのが『フェアレディZ』で、かつてのバージョンNISMOから最新のフェアレディZ NISMOへと進化した仕様を設定している。

NISMOならではのレーシングテクノロジーを市販車に具現化していて、標準車に対して変更が加えられたのは、エンジン、ボディ、サスペンション、装備など、多くの分野にわたっている。直系ワークスならではのチューンが施されることで、標準車とは次元の違う走りを実現する。

搭載されるV型6気筒3.7リッターのVQ37VHRエンジンはNISMO専用のチューンが施されることで、261kW/374N・mの動力性能を発生する。

標準車に対する向上幅はあまり大きなものではないし、絶対値としても今どきこれくらいの動力性能を発生するエンジンは珍しくないが、アクセルワークに応じて8000回転あたりまで一気に吹き上がる自然吸気ならではの気持ち良さを持つ。

これがNISMOモデルの値打ちの最も大きな部分であり、クルマを走らせている実感を与えるものでもある。

足回りは乗り心地をスポイルすることなく安定性を確保している感じがはっきり体感できる。高速域に入ってもクルマが浮き上がるような感じはなく、クルマが路面に張りついてタイヤがしっかりと接地している感覚がある。

クルマの挙動が落ち着いていることで、ワインディングではクルマがドライバーの意図したままの動きを示しているように感じられる。クルマってこんなに思い通りに動くものなのか、そんな風に思わせる走りだ。

サスペンション取り付け部の強化を始め、ストラットタワーバーを採用し、前後にヤマハ製のパフォーマンスダンパーを装着するなど、様々な形でボディ剛性の強化を図ったことが、落ち着いた挙動や乗り心地を確保しながら安定性を高めることにつながっている。

フェアレディZ NISMOはバージョンSTと比べ80万円ほど高い520万~530万円台の価格が設定されている。メカニズム部分に専用チューンが施されるのに加え、専用シートなど装備にも専用のものがいろいろと用意されていることを考えると、これはむしろ割安な設定といえる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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