【クラリオン NX513 インタビュー 後編】男性視点のカーナビ開発に新しい発想をもたらしたマップルナビ

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膨大なデータの中から行きたい場所を簡単に絞り込めるようにした「まっぷる おでかけBANK」
  • 膨大なデータの中から行きたい場所を簡単に絞り込めるようにした「まっぷる おでかけBANK」
  • キャンバスマップル企画部 次長 広瀬浩司氏
  • クラリオン 商品企画部 小口純子氏
  • 「Smart Access」をインストールしたスマホと連携することでより充実したドライブが楽しめるようになる
  • 「YoouTube」を連続して再生可能になるアプリ「LoopTube」
  • 旅行ガイドブック感覚で楽しめる「まっぷる」は約130冊分を収録
  • 車速パルスとジャイロセンサーが加わったことで、ビル街の谷間でも安定測位が期待できる
  • Bluetoothによるハンズフリー通話にも対応
2013年秋に発売されたクラリオン『NX513』は、ベーシックな価格帯ながらキャンバスマップルのナビアプリ『マップルナビ』採用による充実の検索機能と、多彩なソース再生に対応したAV機能が特徴でヒットした『NX501』以来の系譜を引き継ぐ最新モデルだ。

インタビュー後半では、クラリオンとキャンバスマップル両社の協業の成果と、今後のナビゲーションの方向性について話を聞いた。

インタビューに応じてくれたのは、クラリオン営業本部国内純正営業部宇塚博之氏、技術統括本部第二先行開発部ナビコアソフトグループ主査白木建司氏、同商品企画部 小口純子氏、事業推進本部事業推進室推進G伊藤直樹氏、そしてキャンバスマップル クラリオン営業部 部長 和中啓二氏、同企画部 次長 広瀬浩司氏の計6名だ。


◆両社の“いいとこどり”が結果に結びついた協業

----:今回の協業モデルによるポイントはどのようなところでしょうか。

宇塚:やはり『マップルガイド』のガイドコンテンツは他にない付加価値だと思います。これまで、クラリオンのカーナビはしっかり、真面目にものを作るということを意識しており、市場でもそのような評価を得ていると自負していますが、ここにキャンバスマップルのコンテンツやスマートフォンのようなUIという“新しいスパイス”が加わることで、たとえば軽自動車の女性ユーザーなどへの訴求が可能になったことでしょう。

----:軽自動車の話がでましたが、スズキでライン装着ナビとしてこの『NX513』ベースのナビゲーションが採用されていますよ。ディーラーオプションに比べて純正ライン装着は、製品に対する要求仕様などハードルが高いと思いますが、どのような経緯で採用に至ったのでしょうか。

宇塚:はい。手続きの違いではあるのですが、一般論としてライン装着のほうがハードルが高い傾向にあります。現在ナビは必需品といってもいいものですが、近年は車両価格を抑えるためオーディオレス、カーナビレス仕様のほうが売りやすいという現状もあります。ライン装着のニーズは低くないのですが、コストや値段がネックになっています。そのため、ナビ精度やコンテンツ、クラウド連携などでハイエンド機に搭載されるような機能を盛り込みながら、コストをいかに抑えるかという点がカーメーカーに評価されるための大きな要件となっています。


◆男性視点のナビ開発に一石

----:商品企画という立場から小口さんは開発に対してどのようなリクエストをしたのでしょうか。“女性ならでは”のものがあったのでしょうか。

小口:これまで、カーナビというと男性目線の商品が多かったように思いますが、ある調査では、ドライバーの半分は女性であるという結果がでています。そうであれば女性目線のカーナビはあって当然だということで、『NX513』では開発当初から女性・軽自動車というのも意識していました。

女性は、旅行やドライブに意外とガイドブックを活用していますので、マップルナビはそのコンセプトにも一致するものでした。また、キャンバスマップルには女性スタッフも多く、商品設計ではさまざまな意見交換などさせていただきました。

広瀬氏:雑誌のマップルも女性スタッフが7割くらいで編集・制作を行っています。そういったコンテンツは『マップルナビ』にも活用されています。

----:カー用品店などからの反応もやはり女性からのものが増えているのでしょうか。

伊藤氏:はい。軽自動車ブームが言われていますが、たしかに売れ筋の車も変わってきています。量販店でも女性のお客さんが増えてきていることは確かです。そうなると、雑誌感覚で「マップル」のガイドブック130冊分の情報が読めるという特徴が際立ってくるようで、ある量販店では、重点販売商品として扱っているところもありました。また、販売ルートの多様化が進み新古車・中古車の流通も増えていますが、中古車の場合オーディオレスで販売されることも少なくありません。軽自動車の場合、車両価格から見た場合の適正価格というものもありますので、アフターマーケットでの高機能で低価格なカーナビのニーズは高いです。

----:小口さんからみて、これは便利だという機能などあったら教えてください。

小口:ルート上の観光みやげなどの情報がポップしてくる機能があるのですが、これはドライブや旅行が楽しくなる便利な機能だと思っています。

また、自分もそうなのですが、ドライブや家族旅行となったときガイドブックを買ったり計画を立てたりする女性は多いと考えます。『NX513』には“観光ナビ”というアピールポイントもあるので、雑誌の情報やビジュアルで楽しい旅行プランに役立ててくれればと思います。

広瀬:マップルナビ5には「道の駅」の情報として産直の野菜が買えるところというのをアイコン表示させる機能があります。観光地のその場で発見する楽しみを演出してくれるのではないでしょうか。


◆これから求められるカーナビとは? 多様性・安全性・娯楽性が肝か

----:最後にNXシリーズの今後の方向性についてお話いただけますか。

宇塚:これからのコンパクトカーや軽自動車に求めらえるカーナビというのは、非常に難しい問題かと思います。考えられるひとつの方向性は、ユーザーごとのニーズへの対応するためのパーソナライズが重要になってくるということでしょう。多様化するニーズに対し、コストやパフォーマンスをバランスさせ、最適な機能やサービスを実現するために、今回のキャンバスマップルとの協業のようなスキームは有効だと考えています。

伊藤:カーナビには“使いやすい”“探しやすい”といった基本性能が重要ですが、これは安全・安心にもつながるキーワードだと思います。操作が面倒なカーナビは危険ですよね。将来的には音声認識による検索、ルート設定など強化していき、自動運転技術とも連携できるようになればいいですね。

小口:スマートアクセスによるスマートフォンとの連携で、目的地の検索や使い方がもっと楽しくなるようなカーナビを作りたいです。キャンバスマップルさんでは、「くまもん」とコラボしたナビアプリを出されていますが、ご当地キャラやかわいいキャラクターとリンクしたナビというのも面白いのではないでしょうか。
《中尾真二》

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