開業すれば世界最長の鉄道トンネルとなるスイスのゴッタルド・ベース・トンネルで12月16日、初の公式試運転が行われた。同国の運輸大臣やスイス国鉄(SBB)のCEOらも出席し、約13kmの先行完成区間で走行試験を実施した。
同トンネルはスイスアルプスを南北に貫き、同国とイタリアを結ぶ幹線鉄道の高速化と貨物列車の輸送力増強、道路輸送の鉄道への移行を目的として建設。全長は約57kmで、開業すれば日本の青函トンネル(53.85km)を抜いて世界最長の鉄道トンネルとなる。2010年に全体が貫通し、現在は鉄道施設の整備が進められている。
試運転は2本並行に建設されたトンネルのうち西側の1本を使い、南側の出入口・ボディオから、トンネル内に設けられる2つの拠点(多目的駅)の一つ、ファイドまでの約13kmで実施。SBBの近郊用電車524形を使用して160km/hでの走行試験を行った。
同区間ではこれから2014年6月までの間、最高速度220km/hで試運転を行う計画だ。
ゴッタルド・ベース・トンネルは2016年6月の完成を目指しており、営業列車の運行開始は同年12月を予定している。開業後は最高速度250km/hで運転される。