JFEスチール、軽くて高強度で加工しやすい新高炭素熱延鋼板を開発

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スーパーホット-Gのミクロ組織(球形化焼鈍後)
  • スーパーホット-Gのミクロ組織(球形化焼鈍後)
  • S35C(一般材)
  • 炭素含有量0.35%級熱延鋼板の強度と伸びの関係
  • 炭素含有量0.35%級熱延鋼板の水焼入れ後の硬さ

JFEスチールは、自動車軽量化に伴う鋼板の高加工性ニーズに対応するため、炭素含有量0.35%のJIS機械構造用炭素鋼(S35C)と比べて加工性を高めた新高炭素熱延鋼板「スーパーホット-G」を開発した。

開発品は、熱延鋼板でありながら、板厚3mmでプラス・マイナス0.08mmの厚さ許容差という、冷延鋼板に匹敵する良好な板厚精度を持つ。

環境対策としての自動車の軽量化に伴う部品の小型化、形状の複雑化が進む中、素材に対する高加工性ニーズが高まっている。鉄鋼製品の中でも炭素を多く含む「高炭素鋼板」は、焼入れ硬さを高めることができる反面、プレス成形時の加工性が低下するという特性があった。今回開発したスーパーホット-Gは、合金元素量の最適化と、熱間圧延工程における組織制御と球状化焼鈍の組み合わせにより、従来の高加工性型高炭素熱延鋼板を上回る超高加工性化と軟質化を実現した。

その上で、顧客の熱処理により、「S35C」相当の焼入れ硬さを確保することができることから、鋼板を薄くして自動車の軽量化も図れる。

スーパーホット-Gを適用することで、これまで薄板でのプレス成形が困難であった難成形部品を成形することが可能となる。また、複数の部品の一体化や、部品形状の自由度向上のニーズにも対応することができる。

さらに、スーパーホット-Gでは、軟質化によってプレス時の成形荷重を低減できるため、従来の「S35C」に比べると金型への負荷軽減と金型寿命の延長も見込まれる。

《レスポンス編集部》

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