マツダが新型「アクセラ」に搭載する新世代のコネクティビティシステム「マツダコネクト」。グローバルで展開する『Aha by HARMAN』によるサービスの下、多彩なサービスコンテンツが楽しめる日本初の車載エンタテイメントシステムで、そのシステムの詳細をレポートする。
マツダコネクトは「コネクティビティ マスタユニット」を核として、コンソール上のコマンダー、ダッシュボード上に固定された7型ワイドVGAモニターで構成される。この基本システムは最廉価モデル「15C」以外はすべて標準装備されるが、CD/DVDドライブや地デジチューナーはオプションで、ナビについてもナビプログラムを収録した4GB・SDHCカードを購入することで利用可能になる。つまり、ベーシックな部分だけは標準としながら、ユーザーが好みに応じてチョイスできるスタイルを採っているのだ。
電子開発部の福野匡彦氏によれば「CPUはデュアルコアとなっているが、一つは車両との通信用に使っているため、ナビゲーション用としてはシングルコアでの動作となる。しかし、CPU自体がマルチタスクに対応するもので、バックヤードで動作していてもスムーズな動きを心掛けた」と話す。ナビゲーション用地図データは4GBの限られた容量にもかかわらず、渋滞考慮探索も行える過去のVICS交通情報も収録。データは3年間にわたって1年ごとに無料更新ができるという。また、ETCやDSRCにもオプションで対応するが、DSRCは光ビーコンもセットにしたデンソー製が組み合わされる。
タッチパネルによる操作が主流である日本において、あえてコマンダー方式を選んだことに対し、福野氏は「マツダコネクトはグローバルな展開を行うことを前提に開発を行っているが、日本で使うのに最適な仕様になるよう独自設計も加えている」と話す。目的地検索では50音キーボードを備えてカタカナや漢字に対応し、グローバルな展開ではあるが、スピーディな入力に対応できるようモニターにはタッチパネル機能も備えた。VICSやDSRCに対応したのも日本仕様だけのオリジナルだ。また、上級グレード車のダッシュボード上に設置される「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」はグローバルな展開となる。
そして見逃せないポイントが「ファームウェアの書き換えによって機能面でのバージョンアップが可能になる」(福野氏)ということ。これまでライン装着の純正ナビは取り替えが原則利かないわけで、世の中がナビ機能で進化しても旧来のままで使うしかないのが最大の悩みだった。それが「マツダコネクト」では、機能のアップデートはもちろん、アルゴリズムの変更で性能面でもプラス効果を引き出せるのだという。さらに、クラウドからWebコンテンツが楽しめる『Aha by HARMAN』とグローバルな利用契約を結んだのも、こうした国ごとに如何様にもシステムが書き換えられるからだ。Ahaはアクセラの発売に合わせ、日本および複数のアジア・中南米諸国に新規参入することも発表している。
スマホナビがもてはやされる中、それらとの連携を果たしつつ、新世代のコネクティビティシステムとしてスタートした「マツダコネクト」。その動向には今後も眼を離せそうにない。