【ロサンゼルスモーターショー13】フィスカー破産とテスラ火災事故、新規参入の厳しさ

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ポルシェ プレスカンファレンスのようす(ロサンゼルスモーターショー13)
  • ポルシェ プレスカンファレンスのようす(ロサンゼルスモーターショー13)
  • BULLETPROOF社にあるモデルS
  • テスラ モデルS
  • フィスカー・カルマ
  • ホンダのプレスカンファレンス(ロサンゼルスモーターショー13)
  • ホンダのプレスカンファレンス(ロサンゼルスモーターショー13)
  • ポルシェ プレスカンファレンスのようす(ロサンゼルスモーターショー13)
  • 日産プレスカンファレンス(ロサンゼルスモーターショー13)
東京、ロサンゼルス、そして広州と、同時期に世界3極でモーターショーが開催された。世界的な経済の回復をもっとも顕著に表しているのは東京だろう。

明らかに前回開催よりも出展者、来場者とも厚みを増した。この2年で経済面での変化と言えば、日系電機メーカーの凋落に対比される自動車産業の底堅さである。

最近は、スマートフォンを中心とした携帯電話産業の失速も懸念され、部品メーカーを中心に自動車シフトが加速の様相を呈している。変革を迎えている自動車産業の可能性は、他業界からみても魅力なのだろう。

◆LAショーはフラット

ロサンゼルスモーターショー13では、地元アメリカメーカーと肩を並べる規模感と人気を維持していた日系メーカー。

ただ、東京モーターショーと重なったことからも、日系メーカーの出展は控えめ。一方の米メーカーが力を入れているかというとそうでもない。フォードは『コロラド』、SUV『エッジコンセプト』、シボレーは『ソニック』など、従来車の延長にある新モデルを展開がメイン。

ロサンゼルスながら、アメリカブランドが内容的にも突出してないために、日系、欧州ブランドが、皆並列して並んでいる印象。ロサンゼルスモーターショーは、ロサンゼルスにローカライズされた色が濃く、東京モーターショー比で新型車展開に見劣りする。

◆出展車両

ロサンゼルスにおける世界初公開車として力が入っていたのはポルシェの小型SUV『マカン』。ショー会場に飛んでいるフリーWiFiの名前が「ポルシェマカン」であり、さほど広くない会場のなかで、ポルシェのみ単独で出展ホールを設けるといった力の入れよう。

日系ブランドでは、トヨタは新安全サポートなどの技術紹介、ホンダは『FCEVコンセプト』、日産はウサイン・ボルト選手を呼んでの『GT-R ニスモ』はじめとしたニスモパッケージの訴求。スバルが『WRX』と『レガシィコンセプト』で気を吐いた。

欧州ブランドでは、VWが、『eゴルフ』『クロスブルークーペ』、フィアットが『500』、BMWが『X4』『4シリーズカブリオレ』「iシリーズ」。メルセデスベンツは『SLSAMGファイナルエディション』などとした。

コンセプトとして際立ったのが、ホンダのFCEVコンセプト、スバルレガシィコンセプト。新型車としては、ポルシェマカン、スバル WRX、フォード エッジといったところ。

◆テスラの存在

西海岸と言えばシリコンバレー。新興IT企業の集積地であり、その風土から今後も優れた企業が生まれることは想像に難くない。

ペイパルのイーロン・マスク氏が手がけるテスラも、このカリフォルニア州に根をはる新興自動車メーカー。東京モーターショーではカンファレンスを開催したテスラがロサンゼルスには登場しなかった。

そもそも自動車メーカーにとってモーターショーは何のためにあるのだろうか。特定地域に力を入れたいのであれば、なるべくショーに参加して自社製品のブランディングを行い、少しでも多い販売に結びつけたいと考えるのがシンプルだ。テスラにとってのロサンゼルスはもっとも販売の可能性が高い、有望市場であることは疑いの余地がない。

テスラは、ロサンゼルスを決して軽視はしていない。ロサンゼルスに第一号店をおいた事からも伺える。最近の火災事故の影響は限定的か。テスラブランドはすでに相当の認知がある。

ロサンゼルスでテスラ向けカスタムパーツの販売を手がけるBALLETPROOF AUTOMOTIVEのAvi Fischer氏は「ロサンゼルスにおける『モデルS』の購入層は50代で富裕層。環境対応車に興味がある人たち」とみている。「火災事故はありましたが、その当事者たちもまたテスラを買いたいと言っているようですし、テスラにとって大きな問題にはならないでしょう」と話した。

東京に絞り、ロサンゼルスモーターショーへの表立ったコミットがないところを見るとテスラは足元でもシビアな事業を継続しているもよう。テスラはすでに新型車の投入内容、時期を公にしているだけに、ロサンゼルスモーターショーに余分な体力を使わなかった。

◆新規参入の難しさ

近年のHV拡販、EVの市場投入にあわせて、100年超の歴史がある自動車市場は変革のときを迎えたとみられている。ただ、市場のプレイヤーたちの顔ぶれは、変革に際してさして変化していない。

自動車事業に関わる際の大型初期投資と膨大なノウハウ、激しい市場競争を鑑みれば新規参入のハードルは極めて高い。新興メーカーとして当初名を馳せたフィスカーは、破産申請という結末を迎えた。

従来の自動車メーカーとは異なる企業理念をもって自動車事業を切り盛りするテスラ。自動車産業にイノベーションをもたらす可能性を秘めた新興メーカーは、地元ロサンゼルスモーターショーに出ないことで、存在感の高さを逆に示し、あわせてまだ途上にある自動車事業の厳しさをも体現した。
《土屋篤司》

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