【ダイハツ タント 試乗】車格アップを感じさせる走りの向上…松下宏

試乗記 国産車

ダイハツ タント
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『タント』は軽自動車市場に大きなジャンルを確立したクルマだ。ちょっと大げさに言うなら、スバル『360』、『アルト』、『ワゴンR』と並び称されるクルマである。

そのタントがフルモデルチェンジを受けて機能や使い勝手を進化させた。右側のリヤドアをヒンジ式(スイング式)からスライド式に変更したのがポイントで、これによって後席への乗降性を高め、また助手席のスライド量を増やすとともにその操作を容易なものとすることで、使い勝手を高めた。

ほかにもフロントガラスを前方に押し出しことで運転席に座ったときに広さを実感できるようにし、周囲を見やすい設計にして運転のしやすさを高めるなどした。

これらによる広さと使い勝手で考えると、タントは超ハイト系(モアスペース系)軽自動車の中で随一の存在である。

ボディパネルの樹脂化などによって軽量化を図ったが、その一方でスライドドア化による重量増もあり、結果的に燃費はリッター28.0kmにとどまった。スペーシアがリッター29.0kmを達成しているので“とどまった”と書いたが、リッター28.0kmも十分に良い数字であり、全車がエコカー減税で免税が適用されるレベルであるのは立派だ。

実際に走らせた印象は、車格がひとつ上がったような印象があった。全高の高いタントは、初代モデルのときから操縦安定性の確保が大きな課題だった。2代目にチェンジしたときにかなりの改善を見ていたが、今回のモデルでは足回りの設計を見直すことで高い操縦安定性が確保されていたことが、車格感の向上という印象につながった。

昨年暮れにデビューした『ムーヴ』と同様、フロントにスタビライザーを装着し、リヤサスにも改良を加えることで操縦安定性を高めて走りの質感を向上させている。走りの質感という点では、静粛性が向上したことも今回のタントで注目されるポイントだ。

CVTに坂道制御が入って、上り坂で余分な変速をしないようになったのも良い点。これによってスムーズで安定した駆動力がかかり、軽快かつ力強い走りが得られるようになった。

タントには自然吸気エンジンだけが搭載され、タントカスタムにはターボ仕様のパワフルなエンジンも搭載されている。先に改良のあったムーヴでは、標準車にもターボエンジンが搭載されているので、ムーヴより重量の重いタントにこそ、そうしたバリエーションがあった方が良いと思う。

先進緊急ブレーキシステムのスマートアシストは全グレードで選択が可能。わずか5万円ほどの装備だから、積極的に装着しておきたい。ムーヴでは装着率が70%に達しているというから、もはや全車に標準装備しても良い時代だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
《松下宏》

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