【トヨタ SAI 試乗】見た目のカッコ良さとまじめなクルマ作り…松下宏

試乗記 国産車

トヨタ『SAI』がマイナーチェンジで大きく変身した。前後のデザインを一新し、左右いっぱいに大きく広がるランプを採用するなど、見るからにカッコ良いクルマになった。

デザインに関しては人によって好き嫌いが出るが、マイナーチェンジ後のSAIの売れ行きを見ても、このデザインが評価されているのが分かる。個人的には、何で最初からこの形で出さなかったのかと思う。

今回のSAIは“大人がもてるための武器”をテーマにしたという。“カッコ良いクルマに乗っていればかわいい女の子が見つかる”というのは古き良き時代にあった美しい誤解だが、クルマはカッコ良い方が良いに決まっている。

そんな“下心”を持ってデザインされた一方で、まじめなクルマ作りが目立つのもSAIの特徴だ。新しいSAIでは、以前からテーマとされていた環境への配慮が更に徹底された。

トリムなど、インテリアの表面部分の80%くらいに植物由来樹脂(エコプラスチック)が使われ、また床下のアンダーカバーなど見えない部分には再生樹脂(リサイクルプラスラック)が多用されている。

トヨタはかねて、植物由来樹脂や再生樹脂の使用量を20%以上にすることを自主的な目標に掲げてきた。今回のSAIはその目標年次を2年前倒しする形で達成している。

これらの樹脂は普通のプラスチックに比べると、見栄えや耐久性などの面で劣りがちだったり、コストが高くなりかねなかったりする。いろいろな研究開発を進める中で、新品の石油系樹脂と同等かそれ以上の品質や耐久性、コストを実現できたという。だからこそ採用が大きく広がった。

SAIに乗るユーザーは、環境に深く配慮したクルマであることに高い誇りを持って乗れる。資源・環境のためには再生樹脂などの使用拡大が望まれる。SAI以外のクルマでも積極的な採用が望まれる。

新型SAIで残念なのは最近注目のプリクラッシュ・セーフティシステムが最上級グレードでしか選べないこと。それもミリ波レーダー方式のままで進化しておらず、人間認識などは相変わらずできない。仕様の進化と採用の拡大が望まれる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
《松下宏》

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