【三菱ふそう スーパーグレート 試乗】排気量12.6リットルの豪快な加速を体験…高根英幸

試乗記 国産車
三菱ふそうスーパーグレート
  • 三菱ふそうスーパーグレート
  • コックピットは乗用車に近いデザインで馴染みやすい
  • センターコンソールが幅広く、助手席とは距離がある
  • INOMAT2は操作自体は一般的なATと同じだった

今回の三菱ふそう試乗会では、テストコース内での試乗ということで筆者自身、初の大型トラックを運転させてもらった。乗ったのは総重量25トンの三菱ふそうスーパーグレートだ。

トランスミッションはINOMAT2というAMTなので、クルマの大きさだけを気にしていればいい、というのも初心者には助かる。何しろ全長は12m近いだけに内輪差も相当だし、車幅も2.5mあるので車両間隔は乗用車とはかなり違う。

走り出す時に気付かされたのだが、乗用車のAMTと異なりクリープがないので、ブレーキを離すと道路のちょっとした凹凸でも後ろに下がってしまう。状況によっては独自のペダルワークが必要とされることもありそうだ。

トラックやバスのためのテストコースなので道路幅やコーナーのRにも大型車に適した余裕があって、運転しやすい。そのおかげで周回路に出るまでのわずかな時間ですぐに車両感覚はつかみ取れ、いきなりの高速走行も不安なく行えた。12.6リットルという大排気量の余裕で、加速もなかなか豪快だ。しかも荷台には最大積載量14.6トンとほぼ同じバラストを積んでいるのだから、実情に近い状態での感触である。

INOMAT2の動きはというと、乗用車用のAMTと比べるとその動きはゆっくりとしているが、エンジンのピックアップも乗用車ほど鋭くないので、むしろリズムとしては合っている感覚。スムーズでシフトショックは少ない。排気ブレーキは自動制御で4段階に利き具合を調整できる。一番強く利く状態にすると排気ブレーキとリターダー(デフ内に装備される磁力を利用した抵抗)も利いて、結構な減速感があった。ブレーキは乗用車の油圧式と違い、圧縮エアを使うので、微妙なコントロールはちょっと難しい。同じくエアブレーキであるバスの運転手はいかに運転が上手いのか、これで分かった。

シートはたっぷりとしていて座り心地がいいだけでなく、更にキャブがシャーシからフローティングされているから、乗り心地もかなりいい。エアサスのおかげも相まって、高速走行は快適だった。もっとも長距離を走るトラックはこれくらい快適でなければ、長時間の運転はキツイだろう。高速道路を走っている大型トラックのドライバーたちは、こうした快適さに包まれているのかと思うと、ちょっと羨ましくもなった。

《高根英幸》

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