気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2013年9月18日付
●日本の車社会化先導、豊田英二氏、カローラ開発、世界へ(読売・10面)
●インドネシア用ダットサン発表、日産 (朝日・8面)
●事故減少・渋滞緩和に期待、自動運転車の開発加速、部品、IT企業参入相次ぐ(産経・12面)
●社説,豊田英二氏の企業家精神に学びたい (日経・2面)
●現代自、労使問題に苦慮、雇用コスト上昇、国際展開に制約 (日経・7面)
●「自動車産業に不朽の足跡」GM (日経・10面)
ひとくちコメント
「次から次へいろいろな思い出が浮かぶ」と述べたトヨタ自動車の張富士夫名誉会長の言葉ではないが、100歳という天寿を全うしたトヨタ自動車最高顧問の豊田英二氏の訃報を受けた瞬間、すぐに瞼に浮かんだのが、1982年の「工・販合併」後、会長に就任したばかりに直接聞いた“健康法”である。
きょうの朝日の「評伝」の中にも「どんなに当たり障りのない質問にも決して正面から答えない訳は、自分の言葉がトヨタ社内に持つ影響力の大きさを知っていたからだった」と評しているように「黙して語らない勇者」 (東京)であり、記者泣かせでもあった。
当時、財界誌の駆け出し記者だったが、先輩からは「英二会長と3分間立ち話が出来たらほめてやる」と言われて、新車の発表会などで幾度も試みたものの、仕事の話になるとすぐに首を横にひねりよそ見をして、取り繕うのに苦労した。
そんな英二会長が、珍しく滑らかな口調で話し始めたのが趣味の水泳である。
当時、トヨタの経営陣には旧通産省OBの山本重信さんという水泳が得意の役員がいたが、英二会長に「今朝、重信さんはホテルのプールで1000メートルも泳いだそうですね」と水を向けると「そんなに泳いだのか。負けられないな」と、笑いながらも闘志をむき出しにしていたのを思い出す。
晩年はトヨタ記念病院で療養生活を送っていたが、苦手なゴルフよりも水泳が長寿の秘訣でもあったようだ。合掌。