地元のドイツ人向けに展示の内容が変更されている
2013年9月10日、フランクフルトモーターショーが開幕となった。ショーは初日と翌2日目がプレスデイとなって、国内外のメディアが取材を行い、3日目からが一般来客が開始となる。つまり最初のプレスデイは、世界中に発信されるのを前提とした化粧を施した外向けの顔。そして3日目以降が地元の人々に向けた内向きの、いわばショーの素顔と言っていいだろう。
どんな人でも外向きと内向きでは顔が異なるように、フランクフルトモーターショーも同様に内容が変化していたのだ。まず、各ブースに並べられる車両の配置が変更されている。その上で、プレスデイにはなかった車両が登場したりもする。メディアにアピールすべきテーマに合わないという理由もあるだろうし、メディア受けしないという判断があるのかもしれない。
そうして見つけた3日目ならではの車両は、2014年に発売予定の次世代トヨタ『カローラ』、痛車仕様のスバル『WRX』、タクシー仕様のメルセデスベンツ『Bクラス』、自動車教習仕様のVW『ゴルフ』などだ。
メルケル首相の訪問などの特別なイベントも
展示だけでなく、3日目以降の恒例となっているのが、ドイツ首相によるモーターショー訪問だ。今回もフォードをはじめ、いくつかのブースにメルケル首相が回った。プレスなどをひきつれた一団は、まさに大名行列の様相だ。
プレスデイに無料配布された資料やグッズを集めて、一般客に売ってしまおうという露天商が現れるのも3日目以降。並んでいるのは、プレスキットの一部だけでなく、ピンバッジやパス用のベルトなど幅広い。しかも、驚くべきは場所だ。なんとメルセデスベンツ館の中の通路に堂々と店を広げている。まさか公式であるはずもなく、それを許す度量の広さに感心するばかりだ。
街もモーターショーを盛り上げる雰囲気
ショー会場を出た街の雰囲気もプレスデイが終わるころには来場者を誘う演出が増えてくる。フランクフルト中央駅には、メイン通路の真ん中にVW『XL1』と『e-up!』が展示される。駅を通る人の多くがクルマとのツーショットを撮るのに懸命になっていた。もちろんショーを知らせるポスターなどの告知類も増えており、街全体としてモーターショーを盛り上げようという意思を感じることができたのだ。