フランクフルトモータショーは、ブランドごとの新型車・コンセプトカー展示の他に、さまざまな企画展も催されている。そのひとつが、日本のJAF(日本自動車連盟)にあたるドイツのADAC(ドイツ自動車連盟)が実施している「30年前の欧州車展示会」だ。
これは30年前に発売されていた欧州車で、保存状態の良いものを展示し、来場者の投票によって表彰するというもの。
ここに展示されているのは、VW『ゴルフ(II)』やメルセデスベンツの「W201」型、BMW『5シリーズ』(2代目:E28)、ランチア『デルタ』といった比較的ポピュラーな車両から、ポルシェ『928』やアウディ『スポーツクワトロ』『80クワトロ』、BMW『M6』といったスポーツモデル、果てはフィアット『リトモ』のカブリオレバージョンでベルトーネが自社生産した『リトモカブリオ』、ルノー『フエゴ』、オペル『モンツァ』といったマニア垂涎のモデルも並ぶ。
その中の1台、コスワースチューンのエンジンが載る190E 2.3-16は内外装非常に程度が良く、ショーカーとして並んでもおかしくないほどの美しさ。昔のクルマにノスタルジーを感じるのは日本人だけではないようで、若かりしころこれらのスポーツカーに胸を躍らせていた中高年男性がひっきりなしに来ては写真を撮る姿が印象的だった。