【インタビュー】プジョー・シトロエン・ジャポン上野社長…欧州中心でビジネスする強み出す

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インポーターとなるプジョー・シトロエン・ジャポン株式会社の代表取締役社長の上野国久氏
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  • プジョー・208 GTi
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◆センシティブな日本の環境ニーズへの対応には限度がある

日本ではすっかり下火になったホットハッチ人気。80年代は国内外のホットハッチが人気を集めたが、そのひとつにプジョー『205GTI』が存在した。その現代版となる『208GTi』が、2013年5月からついに日本に導入された。その試乗会会場で、インポーターとなるプジョー・シトロエン・ジャポンの代表取締役社長の上野国久氏に話を聞くことができた。ハイブリッドなどのエコカーや軽自動車が自動車販売のかなりの部分を占める日本市場において、どのようなブランド戦略を描いているのか。

2009年からのエコカー補助金ブームを端緒として、ハイブリッドをはじめとする環境対応車の販売比率が大きく高まった。というのも、燃費性能の優れた車ほど減税率が高くなり、補助金が出るのだからお得感が増すためだ。モード燃費計測に最適チューニングされた国産勢に対して、大部分の輸入車勢はカタログ燃費で不利な立場にあり、自ずと厳しい競争環境にさらされてきた。こうした日本のニーズに対してプジョーとシトロエンはどう考えているのだろうか?

「確かにそういう(燃費への)ニーズがあるのは認識しています。日本市場はものすごくセンシティブですからね。オートマチックブレーキが話題になると、“プジョー/シトロエンにもないのか?”という問い合わせがあります。ただし、それに応え切れないというのが実情です」と上野氏は言う。

なぜ応えることができないのか? 

「我々は、燃費などのスペックを売りにしていません。やはりデザインと乗り心地。全体のパッケージング。そうした数値化できないところにセールスポイントがあります。それは本社、ヨーロッパでも同じです。スペックを競ってシェアを得ているわけではありません」と上野氏。技術的な問題というよりも、そもそも論として、日本のスペック主義とは異なる思想がプジョー/シトロエンにはあるというのだ。


◆欧州ローカルのメーカーとして、独自の思想を持つ

「プジョー/シトロエンは、グローバルではなく、むしろヨーロッパ・ローカルなんですね。アメリカではやっていません。中国は、どんどん伸びる市場ですから、“じゃあ、行こう”となっているだけです。そして、ヨーロッパはアメリカとも日本とも違う好みがあります。そして、ヨーロッパは競争が厳しい。ちょっと上にはドイツがあるし、エモーショナルなクルマを作ろうというと南にはイタリアがある。そういう中で鍛えられているんですよ」と上野氏。

プジョー・シトロエンはスペック指向ではないとはいいながらも、本拠地であるヨーロッパでは、フォルクスワーゲンやフィアット、ルノーと言った小型車を得意とするメーカーがひしめき、厳しい競争にさらされている。そうした中で育まれてきたブランドが、プジョーとシトロエンなのだ。日本とは異なる背景で生まれたブランドだからこそ、日本の良い悪いとは異なる物差しで作られている。

「ただ消費者の方の評価は、日本ですから、日本の物差しにあります。それを受け入れて商売をするしかないんですよ。でも、そういう条件の中でも“プジョーが良い”と買ってくださいお客様がいるのは厳然たる事実です。ここが我々のありがたいことですね」

そういう意味では、最近の日本のトレンドとは異なる、走りの良さと伝統をセールスポイントにするプジョー『208GTi』は、いかにもなプジョー/シトロエンの魅力を体現したモデルなのだろう。

◆ディスアドバンテージを覆す新型を投入

プジョー/シトロエンは先端の環境技術を前面に押し出していないが、だからといって環境をないがしろにするメーカーではない。小型車を中心にラインナップするため、新車平均のCO2排出量はドイツ車よりも圧倒的に少なく、欧州メーカーでトップクラスを誇る。また、欧州ではディーゼル・エンジン車を数多く販売して、ディーゼル・ハイブリッドも手がけている。

また、最新のアイドリングストップ機構を備える1.2リットル3気筒エンジンの日本導入は年末が予定されている。この最新パワートレインが導入されれば、燃費は飛躍的に高まる。

「これまでの1.6リットル・4速ATのモデルを買っていただいたお客様は、けっして燃費が良いと言っているわけではありません。寛容に受けてとめていただき、それでもなおかつ208を買っていただけているわけで、非常にありがたい。そこで、(燃費という)ネガティブ要因が取り払われるだけでもずいぶんと違うと思います」と上野氏。欧州Bセグメントも強力なライバルが多いが、これまで「応えきれなかった」という燃費ニーズを3気筒モデルの投入でどれだけ挽回できるか、注目したいところだ。
《鈴木ケンイチ》
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