米国を代表するスポーツカー、クライスラーグループのSRT『バイパー』。同車がメルセデスベンツ『SLS AMG』の頂点に立つ新グレードと、比較テストを実施した。
これは7月3日、米国の自動車メディア、『モータートレンド』が公式サイトで公開したもの。SRTバイパーとメルセデスベンツ『SLS AMGクーペ ブラックシリーズ』を、徹底比較している。
SRTバイパーには、現在のダウンサイジングトレンドとは無縁の大排気量V型10気筒ガソリンエンジンを搭載。このV10は先代のダッジ『バイパー』同様、排気量は8.4リットル。しかし、ピストンやインテークマニホールド、エグゾーストバルブなどに、大幅な改良を受けており、最大出力は640ps、最大トルクは83kgmを引き出す。これは先代比で、40ps、5.5kgmの強化。SRTによると、自然吸気エンジンとしては世界最強レベルのトルクだという。
そのパフォーマンスは刺激的。SRTバイパーは0‐96km/h加速を3秒以下で駆け抜け、最高速は331km/hに到達。0‐400m加速は11秒台半ばと、世界屈指の性能を誇る。
一方、メルセデスベンツSLS AMGクーペ ブラックシリーズは、メルセデスベンツ『SLS AMGクーペ』の性能をさらに引き上げたモデル。開発コンセプトは、「GT3のパフォーマンスを公道に」。SLS AMGには、レーシングカーの『SLS AMG GT3』が用意され、世界のモータースポーツシーンで活躍している。このレーシングカーをモチーフに、高性能化が追求された。
SLS AMGの排気量6208ccのV8ガソリンエンジンには、AMGが専用チューニングを実施。その結果、最大出力は631ps/7400rpm、最大トルクは64.8kgm/5500rpmを獲得。ベースエンジンの最大出力591ps、最大トルク66.3kgm対して、60ps、1.5kgmの強化を果たす。
トランスミッションは、7速デュアルクラッチの「AMG スピードシフト DCT 7」で、10mm低い位置にレイアウト。シフトチェンジ時間も短縮した。これらの結果、SLS AMGクーペ ブラックシリーズは、0-100km/h加速3.6秒、最高速315km/hのパフォーマンスを実現している。