2013年夏に登場したAV一体型ナビゲーション、パナソニック「ストラーダ」の注目モデルが『Rシリーズ』だ。インプレッション前編ではフリックやスワイプと言ったスマートフォンライクな操作機能「モーションコントロール」を紹介したが、後編ではナビゲーション機能やスマートフォン連携について紹介したい。
◆上位モデルに搭載されていたストラーダチューンがRシリーズにも
Rシリーズでさらに改良が施されたのが「ストラーダチューン」だ。ストラーダチューンは、地図の表示や案内ルートを自分の使いやすいように“チューニング”できる機能。「Hシリーズ」「Lシリーズ」などのHDDモデルに搭載されていたが、SDタイプのRシリーズにも搭載されたことはナビを使いこなしたいユーザーにとっては朗報だろう。
Rシリーズで設定できるのは、「ルートチューン」と「マップチューン」の2つ。ルートチューンについては、「有料道路優先」「道幅優先」「抜け道優先」そして「分岐音声案内頻度」の項目から3段階で選ぶことができる。たとえば道幅優先を「狭」に、「抜け道優先」を「高」とすれば、積極的に渋滞を回避するマニアックな(?)ルートを案内してくれる。このような詳細なカスタム項目は、文字とボタンだけで選ばせるのが一般的だが、イラスト入りで分かりやすく表示されているので、イメージがしやすい。このあたり、パナソニックの配慮の細かさがうかがえる。
一方のマップチューンは、地図の色調と道路色、文字サイズ、ルート描画、そして自社マークを任意の色やサイズから選べる。たとえば色調を「タウン」に、ルートを「太」で設定すると、道路が複雑に入り組んだ都心の道も見やすく表示される。個人の好みや使い方に合わせてチョイスできる選択肢を与えてくれることが何よりも嬉しい。なお、Rシリーズの地図は16GBのSDHCカードを利用しており、これとは別にエンタメ用のメモリー(16GB)が本体に内蔵されている。
◆使い勝手を広げる楽しいスマホ連携
また、Hシリーズからさらにグレードアップしたスマートフォン連携についても紹介しておきたい。スマホで探したスポット情報をナビへ転送して目的地に設定できる「おでかけナビサポート ここいこ」に加えて、ニュースや音楽再生アプリを統合した「Drive P@ss(ドライブパス)」を新たにサポート。
専用の接続ケーブル(別売)でスマートフォンとナビをつなぐことで、再生楽曲のアルバムカバーを表示したり、Yahoo! ニュースを閲覧することが可能だ。接続には、Androidの場合は汎用のMHLアダプター、iPhone 4S以前は30ピン Digital AVアダプタ、iPhone 5はLightning - Digital AVアダプタが必要。これにそれぞれHDMIの接続用の中継ケーブルやDockコネクタ/Lightningケーブを接続する。こう書くとナビとの接続がやたら手間のようにも思われるかもしれないが、アダプタと映像用のHDMI/電源用のUSBを1度つないでしまえば、あとは、クルマに乗り込んだ際にスマートフォンを車内で充電する感覚で接続すればよい。
ナビに出力される映像は思いのほかキレイだ。ナビの画面サイズ/解像度に最適化され、Yahoo! ニュースの閲覧も苦でない(ちなみにYahoo! ニュースに配信されているレスポンスの記事もRシリーズで閲覧できる)。なお、Yahoo! ニュースアプリは運転中の利用はできないのでご承知おきを。
Music Playerは、ジャケット表示にも対応しており、検索機能も便利でアルバム/アーティスト/曲でのソートが可能だ。ランダムやリピートなどの再生機能も用意されている。
2013年6月現在、Drive P@ssに対応しているのは、「Music Player」と「Yahoo! ニュース」、そしてGracenoteのデータベースを参照してナビに取り込んだCDの楽曲情報を登録できる「Title Finder」の3つ。パナソニックによると、今後対応アプリは順次増やしていくとのこと。
◆誰にでも勧められるハイコストパフォーマンスナビ
新機能の紹介を中心にレビューしたが、もちろん地デジの画質やナビゲーションの分かりやすさ・自車位置の正確さはストラーダの伝統。とくに地デジは、スカイツリーからの電波送出が始まったこともあり、12セグで受信できる環境が大きく広がった。
カー用品店での実勢価格は10万円台前半といったところだが、数年前なら20万円台後半はしたであろう価格と機能がその値段で手に入るのだから恐れ入る。ユーザーインターフェースの作りもそつがなく、既存のストラーダユーザーも新しくナビを触る初心者も戸惑う部分はすくないのではないか。大ヒット中の軽自動車やコンパクトカーを購入するのであれば、このナビも同時購入候補に加えておくのも悪い選択肢ではない。