川崎重工業は6月13日開催の臨時取締役会を開き、長谷川聰社長ら代表取締役3人の解任を決議したと発表した。
長谷川聰社長、高尾光俊副社長、廣畑昌彦常務の3人は、代表取締役、役付取締役を解職し社長付の取締役とすることを、他の取締役全員一致で決議した。6月26日開催の定時株主総会で取締役も退任する。
同社では、今回の措置について、3人が他の多数の取締役の意向に反した業務執行を強行しようとするなど取締役会を軽視した行動があったことなどを理由としている。
これらの行為がコーポレートガバナンスとコンプライアンスの見地から、不適格と判断し、苦渋の決断をしたとしている。
これに伴って村山滋常務・航空宇宙カンパニープレジデントが社長に就任、松岡京平常務・車両カンパニープレジデントが副社長、高田廣常務モーターサイクル&エンジンカンパニープレジデントが副社長にそれぞれ就任する。金平芳則常務は代表権を持つ。
今回のトップ解任は、3人が取締役会に無断で、三井造船との経営統合を模索、交渉を進めていたことが背景にある。
三井造船との経営統合が報じられた後、川崎重工は「三井造船との経営統合に関する記事が掲載されましたが、これは当社が発表したものではなく、またそのような事実もありません」と発表したが、今回「三井造船との経営統合に関する記事について、交渉の事実はありますが、何も決まっていません」に修正、経営統合に向けた交渉を認めた。
また、三井造船と経営統合に関する交渉については6月13日の臨時取締役会で「交渉を打ち切ることを決定した」としている。