日本民営鉄道協会は5月22日、大手民鉄16社で2012年度1年間に発生した駅員や乗務員など鉄道係員に対する暴力行為の件数を集計し、発表した。
それによると、暴力行為の発生件数は231件で、2008年度から5年連続で200件を超え、依然として高水準で推移していることがわかった。
暴力行為は、酩酊客に近づいたときや理由なく突然に行われるケースが多く、午後10時以降の深夜帯の発生が多数を占める。加害者の年齢は幅広い年代に分布している。
発生場所別では、ホームが35%で最も多く、次いで改札が30%、車内が18%。
契機別では、「酩酊者に近づいて」が27%、「理由なく突然に」が26%、「迷惑行為を注意して」が25%。飲酒の有無では、77%が飲酒ありだった。
具体的事例では、深夜時間帯に駅のベンチで喫煙している30代の酩酊客に対し、係員が禁煙のお願いをしたところ、怒鳴られながら投げ倒されて負傷(全治22日)したケースなどを紹介している。
同協会では、暴力行為をなくし、安全で快適な鉄道を維持するため、引き続き啓発ポスターの掲出などを行っていく方針だ。