【新聞ウォッチ】豊田社長、苦難に耐えようやく「持続成長のスタートラインに」

モータースポーツ/エンタメ 出版物
トヨタ自動車2013年3月期決算会見
  • トヨタ自動車2013年3月期決算会見
  • トヨタ自動車2013年3月期決算会見
  • トヨタ自動車2013年3月期決算会見

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2013年5月9日付

●トヨタ営業益1兆3208億円、3月期3.7倍、北米やHV好調(読売・1面)

●サムスンと提携シャープ強化へ(読売・2面)

●ムーヴが4月販売首位、軽自動車は1年11カ月ぶり(朝日・9面)

●富士重が最高益、円安効果表れる、北米市場で好調(朝日・11面)

●ゴルフなど9万台リコール(朝日・37面)

●社説:日本車の復活を本物にするために(日経・2面)

●トヨタ、時価総額20兆円を回復(日経・3面)

●パイオニアのカーナビ、行く先の渋滞,画像で、交差点など5000か所配信(日経・11面)

●ブリヂストン14%増益、1~3月経常、円高修正押し上げ(日経・13面)

ひとくちコメント

トヨタ自動車が2013年3月期の連結決算で、本業のもうけを示す営業利益が前期比3.7倍の1兆3208億円を計上したことなどを発表した。1兆円を超えたのは、リーマン・ショック以前の08年3月期以来5年ぶりである。

きょうの読売、毎日が1面トップ記事で報じたほか、各紙も終わった前期(13年3月期)と今期(14年3月期)の見通しを1面、経済面などに書き分けて詳しく取り上げている。

前期についての総括としては、各紙の見出しをみると、読売は「原価低減が結実、円安効果は1500億円」、毎日は「現地開発が奏功、世界経済、円安追い風」、朝日も「コスト減に円安追い風」、日経は「トヨタ、カイゼン1.3兆円、金融危機後5年で体質強化」などとしており、逆境に耐えての復活は必ずしも円高修正の恩恵ばかりではないことを伝えている。

一方で、今期見通しについては、朝日が「営業益1.8兆円、円安の効果見込む」、東京も「12年の5倍円安効果」。産経は「初の1000万台超えへ、世界一奪還現実味」。今期の為替レートは1ドル=90円、1ユーロ=120円と想定しており、「年間を通じてさらに円安が進めば、過去最高益を更新する可能性もある」(朝日)とみている。

豊田章男社長が記者会見で幾度も繰り返した言葉が「持続的な成長」。記者からは儲かった利益をどうするのかと問われれば、持論である「もっといいクルマづくりに投入する」と述べたうえで、「それを支える人材、仕組み作りであり、持続的に成長できるところに資金を投入したい」と強調。アベノミクスが目指している「賃上げ」については触れず、生産設備などの新たな投資についても抑制する方針だ。

ただ、株主が楽しみにしている還元では年間配当金を1株につき90円と前の年の50円から40円もアップしたが、最高益を記録した08年3月期の140円の実績にはまだ大きな開きがある。

「持続的な成長のスタートラインに立っただけ」という豊田社長は、相変わらず「慎重な姿勢を崩していない」(東京)が、日本を笑顔にするためには「今でしょ!!」との声もささやかれている。

《福田俊之》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集